2013-2014釧路ロータリークラブ　第3回（通算3273回）例会

新入会員紹介

新入会員紹介
田中　正己　会長エレクト

　皆さん、こんにちは。新入会員のご紹介をいたします。スポンサーは、小船井さんと私です。
前任の坂上支社長さんが６月末でご栄転になりまして、その後任として藤澤力さんが来られました。東京海上日動火災保険株式会社・北海道支店釧路支社の支社長さんでございます。私も、東京海上日動さんの代理店を行っていますので、その繋がりでスポンサーになっていると思います。
　ご家族は奥様とお子様が２人おられます。長男の方は中学校１年生、次男の方は小学校５年生です。本人は、単身赴任で来られています。誕生日は、昭和46年４月生まれ、現在42歳です。趣味は、ゴルフのハンデが18です。当クラブには、ＮＡＹＵＴＡの会がありますので、ぜひ加入していただき、ゴルフを楽しんでいただきたいと思います。
　お酒の方は、相当いけるのではないかと思っております。先月のキャンドルパーティーで、その時に坂上支社長さんと一緒に来られて、その後の２次会で非常に盛り上がって、お名前が藤澤力さんですが、プロレスラーの長州力になり、皆さんと楽しんでおられました。次年度は楽しみにしていますので、よろしくお願いします。それでは、ご本人からご挨拶をいただきたいと思います。

新入会員挨拶
東京海上日動火災保険株式会社　北海道支店釧路支社長　藤澤　力　会員

　東京海上日動釧路支社長として、今月着任しました、藤澤力と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 前任の支社長の坂上から、引き継ぎを受けて、７月４日に正式に着任になったのですが、初めての北海道ということで、どのような場所なのだろうと、ものすごく不安と楽しみの両面で来たのですが、このような場で、皆さんにお会い出来て、いま趣味はゴルフとなっていますが、この道東を楽しんで趣味の数を増やして、もちろん仕事でも貢献をしなければいけないと思いますが。私は、転勤族なものですから、また違う地で「釧路の良さ・道東の良さ」を広めて、釧路に貢献していければと思っています。 まだ、若輩者ではありますが、どうぞみなさんと釧路を盛り上げていければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いたします。


新入会員紹介
尾越　弘典　会員

　皆さん、こんにちは。私、情報委員会の委員長を務めているものですから、先ほど、簡単にレクチャーをしまして、和やかに話をしてきました。今日は、西村君と私がスポンサーということで、西村君がご紹介をする予定だったのですが、仕事の都合がありまして、私から紹介をさせていただきたいと思います。
　辻昌一さん。お仕事は、大地みらい信用金庫・常務理事をされています。釧路の方は、辻さんのお顔をご存じの方が多いと思います。大変多趣味で、仕事の面でも釧路で活躍されている方ですので、よろしくお願いしたいと思っております。ご家族は、奥様のあゆみ様と２人です。 仕事の関係で、根室・道東地区を幅広く歩いていらっしゃる方なので、道東のことについては、本当に詳しい方です。仕事についても、色々なアドバイスをいただけますので、これから皆さんの為になるのではないかと思います。是非とも仲良くしていただきたいと思います。
辻さんは、「趣味ではゴルフをしない」そうですが、「お酒は皆さまとお付き合いする程度は飲むことができる」ということです。「本当の趣味は、経済小説を読むこと、旅行すること」となっております。これからも、長くお付き合いいただけると思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

新入会員挨拶
大地みらい信用金庫・常務理事　辻　昌一　会員

　皆さん、こんにちは。大地みらい信用金庫の辻と申します。大変ご丁寧なご紹介をいただきましたが、長く釧路で仕事をしておりまして、この歴史と伝統のある釧路ロータリークラブにお世話になることが出来まして、大変嬉しく思っております。
　釧路は、サラリーマン生活35年のうち25年くらい仕事をさせていただきまして、仕事柄、地域の皆様・地域の企業さんとご奉仕、貢献するということが私どもの使命でありまして、ロータリークラブの精神と通じるものがあると思っております。
　今、趣味は携帯小説ということで、小説といえば、釧路は日本で１番涼しい街で１番熱い話題。直木賞の桜木紫乃さんの受賞が昨日決まったばかりということで、私も流行り物が好きですので、今朝、早速入手をして読んでいます。
　また、趣味の話をすれば、旅行ですが、今年は伊勢神宮、それから出雲大社の遷宮（せんぐう）の年で、この２つ、出雲は60年に１度、伊勢は20年に１度ですので、この９月中旬には伊勢に家内を連れて、伊勢詣をしてみたいと、計画を練ったところです。 そういう歴史を感じる中に、道東地区の息吹を私の仲間にも伝えているのです。この涼しさの中で、猛暑の中の友人も多数が釧路を訪ねて来て「良い所だな」と言っております。私は、もっともっと釧路の良さを伝えられるよう、皆さまと一緒に勉強させていただいて、頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 　本日はどうもありがとうございました。



新入会員紹介
尾越　弘典　会員

　2度目のご紹介ですが、吉田会長と私がスポンサーになりました。吉田会長は会長職ですのでそちらに座っていただいて、後から新入会員の方への歓迎挨拶ということで、私が紹介をさせていただきます。
吉田浩正さん、皆さんご存じのように、木村支社長の後任として北海道新聞支社長として着任された方です。釧路ロータリークラブと道新の支社長さんは、歴代続けて入っていただいて、釧路ロータリークラブとは本当に長いお付き合いをしていただいています。 　先ほどもお話ししたのですが、２年か３年位で転勤されますので「どうぞ、深く短時間ですけども、釧路に馴染んでいただいて、皆さんと親しくしていただきたい」と私からお話をしました。
ご紹介しますが、大変な多趣味でして、趣味は山歩き、登山を含みます。カヌーやカヤックをやる。熱気球を数人の方でお持ちになり、熱気球もされます。今は、小清水のほうに置いてあるそうなので、機会があれば一度乗ってみたいなと思いますが、私は、高所恐怖症なので少し苦手かなと思いますが。また、タンチョウを見るのが趣味だそうです。何か興味ある方は、これからロータリークラブで一緒にお酒を飲む機会の時に、色んなお話をしていただけられたら、と思っています。
　ご家族は奥様が北海道大学の人獣共通感染症センターの特任助教授です。吉田さんは単身で釧路においでになっています。子供さんは、男の方がお２人。長男の方は恵庭市役所にお勤めで、次男の方は三井化学にお勤めです。長女の方は無職ということですが、札幌に奥様と一緒にお住まいです。本当に多趣味の方ですので、これからも２年か３年かも知れませんが、皆さまのお付き合い、よろしくお願いします。

新入会員挨拶
北海道釧路新聞社支社長　吉田　浩正　会員

　ただいま、ご紹介いただきました吉田と申します。よろしくお願いいたします。 吉田会長とは同じ苗字なのですが、縁戚関係はありませんで、たまたま偶然、吉田会長の下で会員にさせていただきました。
名前は、浩正(こうせい)ということで、よく聞かれるのですが、子供の時は浩正(ひろまさ)で、今でも親戚からは、ひろまさと言われています。小学校に上がる時に、近所に知恵遅れの同じ名前の子供がいまして、親がせめて名前の呼び方だけ変えて学校に届けようということで、小学校で、平仮名で書くときに浩正(こうせい)と書いたものです。当然、戸籍には仮名がふってなかったので、そういうことが出来たので、それで、今では浩正(こうせい)となっています。親戚の中では浩正(ひろまさ)と言われ、２つ名前があるようなもので、どうも変なものです。
　今、ご紹介ありましたように、私は元々、山歩きあるいは、千島やカムチャツカ・アリューシャンに興味があり、出身は千葉県なのですが、それで北海道に参りました。 北海道新聞に入ってからも、そういう希望が通った訳ではないのですが、釧路は今回２回目の勤務です。また根室支局にも２回勤務しております。帯広にも１回勤務しております。道新の編集の中で、根室支局２回というのは私しかいませんで、道東に５回というのもあまり社内ではいないと思います。それだけ私、今回釧路ということになって「非常に良いところに行かせてもらった」と本当に喜んでおります。
　釧路。この地域は、色んな意味で産業の面でも、自然の面でも、非常に良い所で関心はあります。皆さんに色んなことを教えていただきながらやって行きたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。


吉田会長　歓迎挨拶

　本日、入会されました、吉田さん、辻さん、それから藤澤さん。ご入会おめでとうございます。会員を代表いたしまして心から歓迎を申し上げます。 先ほど、尾越委員長からロータリーに関して、色々、レクチャーを受けたかと思います。その中に、先週も申し上げましたけども、『ロータリーアンとして三大義務』の話があったと思います。年会費の納入義務、例会への出席義務、そしてロータリーの友という月刊誌の購読。これを言われたかと思いますが、その中で例会への出席義務というのは、私自身は、例会への出席権利だととらえております。 釧路クラブの例会に出席出来ない時は、他のクラブへ行ってメークアップすることも出来ますので、出席率を上げるためにはそういった形で行っていただければとよろしいと思います。ちなみに時間の都合と度胸さえあれば、東京の帝国ホテルで行われております、東京中央ロータリークラブへの例会に出席する権利がございますので、ぜひチャレンジしてみてはと思っております。
　当釧路クラブは2500地区の中で、メンバー的に１番多いクラブです。また、メンバーが多いだけではなく、２人のガバナーもおりますし、ガバナー補佐経験者が３人おります。こういった人材的にも、非常に素晴らしいクラブです。もし、ロータリーの中で分らないことがありましたら、新米の会長より重鎮がたくさんいらっしゃいますので、そちらの方に聞いていただければ全て理解できるものと思っております。 何といっても、ロータリーそれからロータリーアンを深く理解するためには、例会や委員会に出席するのが１番だと思っております。積極的に例会や委員会の出席をお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
新入会員の方、配属先が決まっておりますのでご紹介申し上げます。辻さんと吉田さんはプログラム委員会の配属になります。プログラム委員長の長山さんがおりますので、よろしくお願いいたします。それから、藤澤さんは新世代奉仕委員会の配属になります。樋口委員長があちらにいますので協力のほど、よろしくお願いいたします。 それでは、お三方は１日も早くロータリーに慣れまして、ロータリーライフを楽しんでいただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。以上で歓迎のご挨拶とさせていただきます。

会長の時間

会長挨拶　吉田　秀俊　会長
　皆さん、改めましてこんにちは。新聞やメールでご存知かと思いますが、当クラブ会員の栗林定�ｺさんの奥様、かつ、定正さんのお母様であります、栗林ミキ子さんが７月15日にご逝去されました。皆さんと共に謹んでお冥福をお祈りしたいと思います。
さて、先ほどもご紹介しましたけれど、今日はこの後、『近年の教育について』ということで、三木さんにご講演をいただきます。私自身も釧路の教育に関して、非常に興味があります。新聞等で何度か掲載されておりますけれど、釧路の小中学校学力レベルは北海道の中にもおいて、最低の位置にあると書かれております。その原因が何であるのか、何に起因しているのかを真剣に考えて行く必要があるのではないかと思いまして、こういう例会を設定させていただきました。 毎月、道新の販売店で配っている『月刊fit』をご存知でしょうか。釧路市内の全戸に配布している物なのですが、その中に各販売店のメッセージを載せるページがあります。その中に私の店からは、小さい字で読みにくいのですけども、２年ほど前から『教育コラム』を掲載させていただいております。 他の販売店のエリアに住まれている方は、手に入らないかと思うのですが、私のエリアの方には、こういうページがありますので目を通していただきたいと思うのです。このコラムには、今日の講師・三木さんをはじめ釧路の教育に携わる方、釧路の教育レベルに憂いている方、そうした方に交代で執筆していただいています。これを読むたびに、釧路の子供の教育の状況、これでいいのかな、といつも不安に思うところであります。 釧路の将来を担う子供たちが、このような状況で大人になった時に、釧路の将来はどうなのだろうかと考えた時に非常に寒々しいと感じがしますので、今日は、三木さんにそのお話をしていただき、教育の問題点や解決の糸口が見つかればと思います。よろしくお願いいたします。私の挨拶はこれで終わらせていただきます。

本日のプログラム

近年の教育について

北海道労務サポートオフィス　　三木　克敏 所長

　皆さん、こんにちは。本日は、お招きをいただきましてありがとうございます。ご紹介をいただきました『釧路教育活性化会議』の代表を務めております。また『釧路の教育を考える会』の副会長を務めさせていただいております、三木と申します。
　私が所属しております釧路西ロータリークラブでは、昨年度、幹事の井岸会員が亡くなり、急遽２度目の幹事となりました。釧路クラブの伊貝直前会長と邵直前幹事には、大変お世話になりました。また７月１日の第一例会では、吉田会長、脇幹事に表敬訪問をいただきました。当西クラブ那智会長、坂口直前会長、以下釧路西ロータリークラブ会員一同に成り代わりまして、お礼申し上げます。ありがとうございます。
　さて、一昨年の８月４日にも、釧路クラブさんにお邪魔をさせていただき、『釧路の子供たちの基礎学力問題』と題してお話しをさせていただきました。本日は、その続きと、すっかり様変わりをしてしまった『近年の教育』、それから『子供たちを取り巻く環境』についてお話しをさせていただきます。限られた時間ですがどうぞよろしくお願いいたします。
　２年前にお伺いをしてお話しをさせていただいた時は、『釧路の子供たちの学力の状況』、それが『地域経済に及ぼす影響』、また、『私ども釧路の教育を考える会の活動』というものでした。その後、釧路新聞社さんが年間キャンペーンに据えて後押しをして下さったこともあります。お陰様で、釧路の子供たちの基礎学力問題が、釧路市民に一定の認知を得るに至ったのではないかと考えています。私ども釧路の教育を考える会は、２年前に北海道教育委員会や釧路市そして釧路市教育委員会等関係諸機関に対して、学力向上に関しての提言書を提出しました。その甲斐もあってと思いますけれども、現在釧路市ではいろいろな手立てが講じられるようになって参りました。レジュメ・３枚物を用意させていただきました。 当考える会の会長は、元釧路市教育長の角田憲治さん、副会長は、釧路市議会副議長の月田光明さん、中小企業家同友会の森川さん、そして私が務めさせていただいております。また、会員につきましては、レジュメの１ページにありますように、幅広くいろいろな方面の会員を擁しています。 私どもは、５つの緊急実行課題として、「今、釧路にこの５つが足りない。今すぐ行ってくれ」ということで、５つの目標を釧路市に出しています。前回は、この辺までお話しをさせていただいたと思います。 　２年前の夏から、釧路市の全ての市立中学校において、夏休み・冬休みの長期の休業期間中に補習授業が行われるようになりました。ご存じの方も多いかと思いますが、昨年12月14日の釧路市議会において、『釧路市の子供たちに基礎学力の習得を保障する為の教育の推進に関する条例』、通称『基礎学力保障条例』と言います。これが可決され、今年の１月１日から既に施行されております。 この基礎学力保障条例は、読んで字の通りなのですが、釧路市に生まれ育つ子供たち一人ひとりに例外なく基礎学力（ここで言う基礎学力とは、小学校４年生相当の"読み""書き""計算"の力を想定しています）を付けさせることを自治体の責任として保障をするという内容になっています。但し、これは、努力義務規定に留まっていて、当然、罰則規定は存在しません。 この基礎学力保障条例は、非常に稀有で日本初の条例といわれています。現在、各自治体や東京大学からも視察調査団がお見えになっています。昨日現在で、既に８件の視察団体の訪問を受けています。この条例の制定については、市議の皆さんが議連を作っていただき、レジュメに書いてある方１名が途中で抜けたのですが、市議の方々のご尽力もあり、制定されました。先日、伺ったことですが「いつでも視察においで下さい」と言っているらしいです。「但し、午前中だけの対応です」ということらしいです。「これは流石だな」と思うのですが、それなりの経済波及効果も見込めると聞いています。すっかり有名になった『生活保護受給者における自立支援プログラム』も視察が相次いでいるとのことですが、この基礎学力保障条例に関しても経済波及効果を望めるようになりつつあると聞いております。 　釧路市教育委員会は、基礎学力保障条例の規定に基づきまして、『釧路市教育推進基本計画』を定めました。これは、一定の数値目標を定めます。例えば、「○○を、家で１時間以上勉強する子供を７割に定める」等の目標を定めて、「５年計画でそれを遂行して行こう」という釧路の教育行政の要となる計画で、全国初の基礎学力保障条例が制定されました。 また、教育推進計画は「教育基本法の中で作るようにしましょう」と推奨していますが、なかなか釧路規模の地方中枢都市では、定められていないことが大半ですが、釧路はそのような目標も定めました。また、昨年からは、釧路市独自も学力テストも実施されるようになりました。 では、子供たちの学力向上はどうなったのでしょうか。向上したのかということですが、これはまだ残念ながら道半ばにあるといえそうです。 　レジュメの２枚目をご覧いください。これは、釧路市独自の学力テストの実際の出題問題です。小学校３年生の算数です。「赤のテープの長さは６�pです。青のテープは赤のテープの３倍の長さです。さて、青のテープの長さは何�pですか」。これは「書きなさい」ではなく「４択」です。この問題の小学校３年生の正解率が53.4％でした。単純計算で100人中47人が不正解、２人に１人弱が不正解という状況になっています。何故そうなるかというと、理由は２つしかありません。九九が不完全か、主語・述語がわからない、のどちらかです。同じように、小学校４年生の算数では、「４−1.2」の正解率がやはりこの程度です。私、これにも驚いたのですが、５年生の算数で「5.6＋３」の正解率が約半分、51.2％。この詳細を見たら、およそ44.4％強が「5.9」と書いたらしいです。子供たちは、「３を"3.0"と理解していない」子が約半分いるということです。続きまして、中学２年生の国語です。これは、漢字の書き取り問題で「『みだれる』を書きなさい」という問題です。この正解率が44.9％。本当にこれは洒落ではありませんが"乱れています"という感じではないかと思います。 　話しは変わりますが、子供たちを巡る教育の環境と世の中の有り様は、本当に大きく変わっていると思います。少子化に伴って、いま18歳人口がどんどん減少しています。一方で、大学は増えています。大学の間口がどんどん広まっていて、現実は選ばなければ誰しもが大学へ進学することが可能という状況になっています。それで、大学生の学力が極端なまでに二極化している、これは皆さんご承知の事実だと思います。また、高校生に関しても全く同様で、選ばなければ誰しもが高校に進学することが可能。特に北海道は、この傾向が顕著です。その中でも、釧路・根室に関しては一層顕著であり、ほとんど落ちる子供がいないに等しいような状況になっています。それから、例のゆとり教育の影響で子供たちの基礎学力が本当に大きく下がってしまいました。そこへ持って来て、家庭の力や親の力が劣化を続けていると思います。 私が、とある小学校のＰＴＡ会長に伺った話です。その釧路市内の小学校で、子供を学校へ通わせない親がいるそうです。これは「夫婦揃っているにも関わらずに、どうしてですか」と聞くと、夫婦揃って朝からパチンコへ行くらしいです。パチンコ三昧。上の子に、下の子の面倒を見させる。それがために、自分の子供を学校へ通わせない。その学校では、各学年に１組程度はそうした親が存在している。いわいる『育児放棄（ネグレクト）』といわれるものです。 また、家庭の力、親の力が非常に弱まっています。一方では、町内会活動に代表される地域のコミニュニティーがどんどん弱いものになっていると思います。そして、悲しいことですが学校もまた、力が弱まっているのではないか。 一昨年お配りしました学力テストの点数です。見開きの２枚目、３枚目にまたがります。これは、北海道全域で一斉に行われている学力テストの点数です。１教科60点です。５教科で300点満点です。これは私が代表を務めております。釧路教育活性化会議のページで公表して、北海道新聞の全道版の記事にしていただきました。「なんてことをするんだ」とその時に大分バッシングを受けましたが、あえて実名で公表してみたのですけれど、大体300点満点で120位が釧路の平均になっています。４割です。このテストそんなに難しいかというと、私ども学習指導を行っている塾の人間に言わせると、簡単です。計算問題ができれば25点取れます。文章題１問も立式出来て、角度計算が出来れば40点超えるような極々簡単な試験です。数学に関して、釧路は先ほど示したデータでも極端なまでに子供たちは算数・数学的な力が弱い。なかなか改善されないような状況が続いております。 　さらに、裏になります。こちらは、北海道新聞の釧路版です。ご覧になった方も多いと思うのですが、『学力危機』と題して、九九が出来ない20代の若い女性の話が出ています。「九九が出来ない社員が今まで１人や２人ではなかった」とそのような状況書かれています。 そして、皆さまのテーブルに載せてある読売新聞ですが、読売新聞の北海道支社が特集しています『学力危機』という小冊子。第１部から第４部まで出ているので、載せておきました。もし、ご興味おありでしたら、私ども、「釧路の教育を考える会」の活動についても、何ヶ所か登場していますので、お持ち帰りいただければと思います。 かれこれ10年以上、子供の基礎学力問題を追い続けてきましたけども、時代のせいでしょうか。それともグローバルスタンダードの影響でしょうか。戦後教育によるものでしょうか。私自身、明確な答を持ち合わせておりません。かつて、日本人がとても大切にしてきたもの、気がつけば、何か失われてしまった。または、実に希薄なものになってしまった。便利になった反面、とても大切な物をどこかに落としてきてしまった。それが、無用な混乱を招くことになってしまったのではないだろうか、そのように思ったりもします。 　子供たち自身は、接していて思うのですが、今も昔も何も変わらないと思うのです。ただ、子供を取り巻く環境は、本当に大きく様変わりしてしまいました。先ほど申し上げました、親の力・家庭の力の低下もそうだと思いますけれど、やはり、インターネットの普及というものが非常に大きな原因ではないかと思うのですね。 　昔は、大人社会は大人社会、子供も社会は子供社会とある程度線引きがあったと思うのです。ところが、今は何もかもがフルにオープンになってしまい、子供たちに見せたくない部分があったとしても、子供たちはそれをちゃんと知っているのですね。 最後に、『子育て四訓』という二宮尊徳公の言葉をご紹介したいと思います。レジュメの最後に載せています。「子育て四訓、乳児はしっかり肌を離すな、幼児は肌を離せ・心を離すな、少年は手を離せ・目を離すな、成年は目を離せ・心を離すな」。そして、「可愛くば、五つ教えて・三つ褒め、二つ叱って、良き人にせよ」。 戦後、日本人の価値観そのものが変わってしまったのかもしれません。『不易流行』という言葉のとおり、変えてはいけないものは、変えてはいけない。子供の教育についても、正しくそれが当てはまるものではないかと考えています。私も、釧路の教育を考える会も、子供の教育の原点に常に立ち返りながら、地域のためになる、そして日本という国のためになる。何よりも、子供たち自身のためになる教育、その在り方を模索して参りたいと思っております。 丁度良い時間になったかと思います。つたない話で、ありがとうございます。ご静聴ありがとうございました。


会長謝辞
吉田　秀俊　会長

　三木講師、大変貴重な話、ありがとうございました。感覚的には分かったのですが、実際にデータとして見た場合、そら恐ろしい感じがします。半分の子供たちが、計算も出来ないまま、中学・高校を出て、そして皆さんの会社に勤めてくる。そうなった時に、本当に困るのは私達ではないかと思っております。 　私も小さい頃あまり勉強しなかったので、今、「勉強しておけば良かったな」と反省の日々を送っています。こういう問題をロータリーとして、やるべきかどうかということは定かではないのですが、考えてみることも必要ではないかと思い、今日はこういう例会にさせていただきました。 本当に三木さんには大変忙しい中、ご講演をありがとうございました。これを持ちまして、謝辞とさせていただきます。ありがとうございました。

---

ニコニコ献金

お名前（敬称略）	内　　　　　　　　容
前田　秀幸	お陰様で創業２０周年をむかえることが出来ました。 これを機にオリプラ４階でラウンジ「ジュジュ」というお店を新規オープン致しました。 これからも謙虚に頑張ってまいりますのでよろしくお願い致します。
	累計　173,000円