2013-2014釧路ロータリークラブ　第19回（通算3289回）例会

会長の時間

会長挨拶　吉田　秀俊　会長

　皆さん、こんにちは。冒頭、私のスポンサーであり大事な会員の誕生日を忘れてしましまして、この場を借りて深くお詫び申し上げます。大変失礼いたしました。決して恣意的ではありませんので、ご理解下さい。 前回の例会でお話ししましたが、11月10日日曜日に、清水パストガバナ−と脇幹事と私の３人で、網走ロータリークラブの『60周年記念式典』に参加してきました。当日は、朝から激しい雨と、福司酒造の屋根が飛ぶほどの強風に見舞われた、大変厳しい天候だったのですが、３人で度胸を決めて釧路を出発しました。東藻琴あたりで雨が上がったものの風は強かったのですが、無事に網走に着いて式典に出席してきました。 式典の中では、清水パストガバナ−が葭本ガバナーの代理で、祝辞を述べました。私もスポンサークラブを代表して祝辞を述べさせていただきました。祝辞に先立ち、網走ロータリークラブからスポンサークラブに対して、感謝盾をいただきました。こちらにあるクリスタルの素晴らしい盾ですが、後ほど皆さんに回しますので、じっくりご覧になっていただければと思います。 今日は、皆さんご承知のように、今月は『ロータリー財団月間』です。うちのクラブには清水パストガバナー、小船井パストガバナーのように、財団に高額の寄付をされてメジャードナーになっている方がおります。皆さんから年間100ドルの献金をいただいていますので、ひとり当たりの献金額は、前も申し上げましたが2500地区の中では２番目という素晴らしい位置におります。 栗林定正会員は当クラブの財団委員長ですが、栗林君が『ロータリー財団月間にちなんで』ということで、後ほどお話しさせていただきますので楽しみにしています。 最後になりましたが、先週の例会で公示した、次年度の会長並びに次年度の理事ですが、自薦・他薦とも理事会にありませんでした。今日この後の理事会で、こちらから次年度の会長を指名させていただきたいと思っております。私から指名の電話が行きましたら、決して迷うことなく、即答していただければ大変ありがたいと思いますので、そこを皆さまにお願い申し上げて、会長の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

本日のプログラム

ロータリー財団月間にちなんで

ロータリー財団寄付推進委員会　委員長　栗林　定正　会員

　ご紹介いただきました、ロータリー財団寄付推進委員会委員長を拝命しています栗林です。11月はロータリー財団月間ということで、例会を持たせていただきました。先ほどから、皆さまの食事を見ていて、若干、心配になっております。「眠くなるのだろうな」と思います。 このロータリー財団月間を毎年11月に行っていますが、ここ５年以上が講師例会・スピーカー例会で作られてきました。釧路ロータリーにしてみると、贅沢なこととつくづく思わせていただきました。このロータリー財団に関して、本当に深い部分を知っている方が同じクラブの中にいて、その話とエキスを教えてくれるのは、本当に我々にとって贅沢なことと思います。 実は、サゼッションをいただき、色々なお話を聞くのですが、「そもそも、ロータリー財団って何？については、時間を経ている中で、分かりづらくなってきた」と言われましたので、今回は基本に立ち返って「ロータリー財団とは何ぞや」を、この例会を使ってお話しさせていただこうと思っております。私も付け焼き刃的な形で、資料をつくらせていただきました。皆さんの中では「そんなこと知っているよ」と思う方もいると思いますが、ぜひ30分、何とか歯を食いしばってお付き合いいただければと思います。ぜひよろしくお願いします。 はじめに、このロータリー財団の歴史についてお話しさせていただきます。 1905年に『ロータリー財団』が誕生しました。写真に写っている4名が、最初のロータリーアンです。左から、ガスターバス・ローア、シルベスタ・シーレ、ハイラム・ショーレ、ポール・ハリスの４名からロータリーが誕生しているのです。 1907年、シカゴロータリーが初の社会奉仕活動を実行しました。何をしたかというと「公衆トイレの設置」からロータリーの社会奉仕活動が始まっているのです。 続いて1910年、8月15日から17日に、全米ロータリークラブ連合会が初の『ロータリー大会』を開催しました。そこで初めて、先ほどの４名の最後の１人、ポール・ハリスを初代連合会会長に選出しました。 1917年、アーチ・クランプ会長が、世界で良いことをするために基金の設置を提案。これがすなわち「ロータリー財団の誕生」になります。最初の寄付は、アメリカ・ミズーリ州のカンザスシティのロータリークラブから26ドル50セントを寄付されたのが始まりだと言われています。 1919年、フィリピンのマニラロータリーがアジアで初のロータリークラブとして設立いたしました。 1922年には、『国際ロータリー』が正式名称として承認されました。 1924年、現在のロータリーの標を採択したのがこの年です。それまでに５つのロータリーのマークが使われてきたということです。 1928年、5,000ドルにまでに成長したこの基金が、国際ロータリーから独立した別機関となりました。正式名称は『国際ロータリーのロータリー財団』ということになります。 1932年、ロータリーアンのハーバード・Ｊ・テイラーによって『４つのテスト』が作られました。これは現在100カ国以上に翻訳されていて、今日、冒頭に歌った『４つのテスト』です。 1947年、財団初のプログラムで「フェローシップス・アンド・アドバンスタディ」、高等教育のためのフェローシップを開始しました。このプログラムは、後に国際親善奨学金として知られるようになります。 1957年、ロータリー財団の認証プログラムである『ポール・ハリスフェローの認証』が開始しています。これに関してはあとでもう少し詳しく説明させていただきます。 1979年、フィリピンの600万人の子ども達にポリオの予防接種行うプロジェクトに対して、ロータリー財団が初の保健・飢餓追放および人間性の尊重の補助金を支給しました。この時の補助金が数十年にわたり、ロータリーのポリオ撲滅活動の始まりとなっていきます。 1985年、全世界でポリオの撲滅を目指す『ポリオプラスプログラム』が設置されました。 1987年、初の女性ロータリーアンが誕生しました。 1999年、未来のリーダーや外交官を育成することを目指した、「ロータリーが平和および紛争解決の分野における国際問題研究のためのロータリーセンター」の設立をしています。 2013年、今年ですが、ロータリー財団の未来の夢計画が開始されました。今までのルールを作り直して、世界中のロータリーアンがグローバルなニーズに応えられるよう『新しい補助金モデル』、地区の補助金やグローバル補助金あるいはパッケージグランドを導入していきます。これから、我々の世界に入っていくのです。 それを具体的に説明させていただきます。ここからは、皆さまのお手元により詳しい資料があります。それを見ていただきながら、お話にお付き合いいただければと思っています。 アメリカに『チャリティーナビゲーター』という「非営利団体の独立系格付け機関」として、最も信頼している組織が存在しております。今年、ロータリー財団はそのチャリティーナビゲーターから『４つ星』の最高評価を得ました。すなわち、ロータリー財団の行っている活動は、世界的にも認められる効率の良い活動であると証明されたのです。 ロータリー財団とは、国際ロータリーの慈善部門であるという共通の認識があります。特記すべき特徴として、財団は、ロータリーアンとその支援者による自発的な寄付のみに支えられていることがあげられています。 私たち、ロータリーアンは財団に寄付して、そのお金を使って、自分たちで活動をして、世の中を良くしていくという、その理念と奉仕の精神の実践をしています。自分で奉仕に必要なお金をだして、自分たちで使って、社会の奉仕をするという運動をしているのです。ここからもロータリーは、単なる寄付団体ではないとご理解いただけると思います。 さて、これから具体的な内容の説明をさせていただきます。ロータリー財団の活動概要として、「クラブと地区のロータリー財団委員会の役割の認識。そしてバックアップ」、「ポリオプラスについて」、「ロータリー財団の補助金について」、「資金管理と参加資格認定について」、「財団の資金の仕組みを理解することに対しての働きかけについて」、「募金活動について」、そして「ロータリー平和センターについて」、これらがロータリー財団の主な活動になります。 この中で、本日は具体的な行動として分かりやすい、「ロータリー財団の補助金について」、「ロータリー平和センター」、「ポリオプラス」について説明を続けていきたいと思います。 まず、ロータリー財団の認証の機会ですが、左に「個人に対する認証」、右に「グラブに対する認証」について書いています。個人に対する寄付としては、上から「財団の友会員」「ポール・ハリスフェロー」「マルチプル・ポール・ハリスフェロー」「メモリアル・ポール・ハリスフェロー」「感謝状」「ベネファクター」「遺贈友の会」「メジャードナー」「アーチクランプソサエティ」があります。 一方、クラブに対する認証については、「100％財団の友会員のクラブバナー」、全員が100％財団の友になると、クラブにバナーが贈られるということです。「毎年あなたも100ドルをクラブ全員で達成バナー」「年次基金ひとり当たり寄付額上位３位までの認証バナー」「100％ポール・ハリスフェロークラブのバナー」などがあります。 上から順番に、「財団の友会員」。これは最初に100ドル、またそれ以上を寄付して、それ以降、毎年100ドルまたはそれ以上を年次プログラム基金に寄付していく。その意図を支援した個人は財団の友に認知していただけることになります。 これには特色として、書面で契約すること、そしてポール・ハリスフェローを必ずしも目指さなくても良いことがあげられます。一方、「ポール・ハリスフェロー」というのは、米価100ドルを財団に寄付すると、それに認知されることになります。「マルチプル・ポール・ハリスフェロー」、これが結構有名になってくるのですが、すでにポール・ハリスフェローになった方が更に1000ドルから5000ドルを追加寄付してフェローを重ねていく人のことを指します。有名な特典として、２回目のポール・ハリスフェローの場合にサファイア１粒入り。最高6000ドルでサファイア５粒入りの襟ピンがもらえます。9000ドルでルビー３つ入りの襟ピンがもらえます。 「ベネファクター」に移ります。ベネファクターは金額を問うものではない。ロータリー財団高級機関へ寄付する旨を、遺書または会社の資産計画に書き記したことを財団に通知した人がベネファクターとして承認される形になります。 ８番として「メジャードナー」、大口寄付者は年次寄付、高級基金、ポリオプラス寄付の総額が１万ドルを超えると、大口寄付者ということになります。ただし、他の人から認証（ポイント）を受け取っている場合には、その額から差し引かれてしまうとあります。 最後に「アーチクランプソサエティ」は、財団に対して累計25万ドル以上の寄付した人に資格がある形になります。ロータリー財団の創始者の名前にちなんだ賞ですが、ＲＩ本部のアーチクランプギャラリーに写真が飾られます。写真が載っていますが、今年、小沢トラフティーの肝いりということで６人のアーチクランプソサエティが誕生いたしました。エバンストンのＲＩ本部で「ジャパンデイ」と銘打って４月19日に合同セレモニーが行われたという話があります。 ２つ目の「ロータリー平和センター」について、説明します。ロータリー平和センターの正式名称は「紛争の解決と平和に於ける国際問題研究のためのロータリーセンター」。以前は世界７箇所のセンターの８大学で２年間の研修を行っていました。表にあるのは、実際に受講した研修生と研究テーマを表しています。ロータリーは毎年、世界中の候補生の中から、各ロータリーセンターで学ぶフェローを選びます。フェローシップは授業料と入学料そして部屋代・食事代・往復の交通費・インターンシップ、そして実地研修費に利用することができます。 そしてフェローシップには、さらに２種類あります。ひとつは修士号習得プログラム。８大学にあるロータリー平和センターで「平和と紛争の解決・予防の分野の修士号を目指す人」の為の奨学金です。期間は15ヶ月から24ヶ月。その後、2ヶ月から3ヶ月かけての実地研修が行われます。毎年50名までが対象になります。 もう１つは専門能力開発修了証取得プログラム。すでに平和と紛争解決分野で経験のある社会人のために、毎年50名までに授与される奨学金。３ヶ月の短期集中プログラムで、そのフェローはタイ・バンコクにあるチュラロコーン大学で学ぶことになります。このプログラムでも2週間から3週間の実地研修が行われる予定になっています。 ３つ目のポリオに関してです。ポリオというのは小児麻痺のことです。ロータリーは今まで何十億円という金額をＷＨＯと協力しポリオ撲滅運動に協力してきました。今年、インドが初めて、ポリオが発生数が０になりました。 2013年10月１日現在、世界のポリオ発生数を表してみました。ナイジェリアでは前年度93に対して49件。パキスタンは43から39件に。エチオピアは新たに発生したのが４件、アフガニスタンは21件から６件に減少しています。ソマリアは新たに発生したのが170件。サウススーダンは３件。ケニアは14件。チャドは５件から０件に減少しております。前年度に162件だったものが今年度285件に増加しているのが現状です。 現在、ポリオ常在国はアフガニスタン、パキスタン、ナイジェリアの３カ国です。最新の症例数は「世界ポリオ撲滅推進計画のウェブサイト」から確認が出来ますが、ソマリアでポリオの発生が広がっています。隣国のエチオピアでも2006年以来、初めてポリオの発祥が確認されました。この状況を対応するために国際ポリオプラス委員会の勧告を受けて、財団管理委員長は50万ドルの補助金を支出することを承認しました。なかなか厳しい現状になります。 それでは、今年から始まる新しい補助金の構成について説明させていただきます。新しいルール・新しい補助金には３つあります。「地区の補助金」「グローバル補助金」「パッケージブランド」。地区の補助金は地区の裁量権が大幅に増した補助金になっていますが、その反面、監査が厳しくなりました。有識者により、地区に監査委員会を設置することになりました。 地区の補助金には以下のような特徴があります。「財団の使命に沿っているかどうか」「地区が補助金を管理し、クラブに支給する」「国内また国外を問わず小規模なプロジェクトであること」「一度のみの短期プロジェクトであること」が定められています。 それに対してグローバル補助金はロータリーの６つの重点分野に該当し、持続可能かつ測定可能な成果をもたらす大規模な国際的活動を支援することが重点目標になっています。補助金プロジェクトのスポンサー、これは国際的なパートナーシップを組み、各地の地域社会のニーズに取り組んでいきます。このグローバル補助金ですが、次のような活動に使用できます。１．人道的プロジェクト、２．奨学金・大学院レベルの留学、３．職業研修チーム(専門職業に関係する研修を提供するチームまたは研修を受けるチームの海外への派遣に役立てることができる)。 補助金の使用条件としては、実際のグローバル補助金の利用に当たっては、活動が実施される国のクラブまたは地区とそれ以外の国のクラブ、または地区がパートナーとなって協力することが求められることが特色となっています。 その双方のクラブか地区は、補助金を申請する前に参加資格の認定を受けなければいけないという条件があります。その他、求められていることは、１．持続可能であり補助金が使い尽くされたあとにも活動成果が長期的に持続すること、持続するための計画を含んでいること。２．測定可能な目標を持っていること。３．６つの重点分野のいずれかに該当すること。４．地域社会のニーズに応えること。５．ロータリーアンと地域社会の人々の両方が積極的に参加すること。そして、補助金が授与と受託の条件に記載された条件を重視すること。これが求められています。 グローバル補助金は、年度を通じて随時申請することができますが、申請が受理した順に審査が行われます。支給額と支給方法ですが、予算３万ドル以上の活動が対象となります。そのうち、補助金で賄われる額は最低1万５千ドル。この補助金はクラブあるいは地区からの地区財団資金に対して同額の100％、現金寄付に対しては半額の50％の割合で財団から国際財団活動資金の上乗せが提供される仕組みになっています。 ３つめ、パッケージブランドです。パッケージブランドはロータリーと参加する戦略パートナーがあらかじめ大枠を設定したプロジェクトにクラブや地区が参加するタイプの補助金です。パッケージブランドはグローバル補助金と同様で、人道的プロジェクト、奨学金、職業研修チームなどロータリーの重点分野に該当する活動に当てられています。ただし、パッケージブランドはプロジェクトの枠組みが予め設定されているので、グローバル補助金と異なります。ロータリーは、現時点でアガ・カーン大学、ユネスコ水教育研究所、マーシーシップスの３団体と戦略パートナーの提携を結び、クラブや地区が参加出来る活動プログラムを提供しています。 日本国内34地区の寄付ゼロクラブの現状を皆さんにお伝えしたいと思います。寄付ゼロクラブは、各クラブにおいて年次基金寄付がゼロのクラブを指します。田中作次ＲＩ会長は、「自分の年度で日本だけでも寄付ゼロクラブの廃絶を達成したい」と話しておりました。「2520地区は震災があったので仕方ないとしても、当地区はいかんせん良くない」との指摘もあります。 一方、地区財団資金からポリオプラスへの資金の寄贈額です。当地区は、１万ドルを出す検討をしております。 最後になりますが、今、我々がこれから経験するロータリー財団の『未来の夢計画』で変わったことは、新しくロータリー資金管理委員会が組織されたこと。クラブと地区の間で参加資格認定、覚え書きを締結することが必要になったこと。地区補助金管理補助セミナーで出席義務が必要になったこと。２年目に向けて委員会が行っていること。ロータリー財団ハンドブックが発刊された、等があげられます。 若干、急ぎましたが、今現在、ロータリー財団は、また新しい条件で地域への、また国際的な貢献を目指しているところです。ぜひ、皆さまも、その中の一端をぜひ担っていただきたい。そのような思いを含めまして、今日のお話しを終了させていただきます。ご静聴ありがとうございました。

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