| 2013-2014釧路ロータリークラブ 第24回（通算3294回）例会 |
| お客様ご紹介 |
吉田 秀俊 会長
皆さん、こんにちは。それでは、本日のお客さまをご紹介いたします。赤い羽根共同募金委員会から釧路市共同募金委員会釧路地区委員会会長・冨安邦子様、同じく事務局長・小野信一様です。後ほど共同募金会へ募金をさせていただきますのでご登壇をお願いいたします。
御礼の挨拶
釧路市共同募金委員会 会長 冨安邦子 様
皆さん、こんにちは。ひと言ご挨拶をさせていただきます。釧路市共同募金委員会会長の冨安でございます。本日は『赤い羽根募金』に協力をいただきまして誠にありがとうございました。
釧路ロータリークラブ様には、毎年、温かいお気持ちとご協力をいただき心より感謝をしております。10月１日の街頭募金から始まりました『赤い羽根共同募金』も12月31日までとなりましたが、その間、皆さま方には『法人募金』『町内会の個別募金』等、重ねてご協力をいただき改めましてお礼を申し上げます。皆さまから寄せられました温かい善意をきめ細やかな配慮を持って地域福祉充実の為に役立たせたいと思っております。
私は、今年の７月１日より、足立あつ子様のあとを受けまして就任いたしました。会長の役を始めまして、このように釧路市民の皆さま方の優しい思いやりに触れ、深く感謝をしております。今後ともご理解とご協力をお願いいたしましてお礼の挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。
| 会長の時間 |
会長挨拶 吉田 秀俊 会長
皆さん、改めましてこんにちは。今年も残すところあと１週間を切りました。なにかとお忙しい中、本日の例会にご出席いただきまして誠にありがとうございます。本日が今年最後の例会となります。皆さんのご協力により上半期が無事に終えそうな感じです。本当に感謝を申し上げます。
2013年は、私にとって忘れられない年となりますけれど、皆さんにとってはどのような年だったでしょうか。日本全体でみますと、『東京オリンピック・パラリンピック2020年開催』が決定され、富士山が『世界文化遺産』に登録という"おめでたい" 出来事もありましたけれど、例年のように伊豆大島をはじめとする"大雨による被害"が多発して、そのような暗いニュースもありました。
当釧路クラブにおける"重大ニュース"、これは私が独断と偏見で選びました。17年間という長きに亘り事務局員を努められた大山さんが まさかの寿退社をされました。それを伊貝直前会長から聞いたときは、私も脇幹事も呆然としましたけれど、なんとか大山さんに優るとも劣らない青島さんを事務局員に迎えて"ほっと"胸をなで下ろしたことを鮮明に覚えております。
もうひとつ、明るい話題としては、当クラブのメンバーである白幡家と五明家のご慶事です。なかなか経験が出来ないような披露宴でその場に出られた方はみなハッピーな気持ちになったのではないかと思います。改めましてお祝いを申し上げます。おめでとうございます。 本日の例会プログラムは、恒例となっています日本銀行釧路支店の支店長より 講話をいただきます。『今年の金融経済情勢と来年の展望について』というテーマでお話しをいただきますけれど、この1年間『アベノミクス』という経済政策によりまして、特に日銀の黒田総裁が行った大胆な金融政策によって日本の金融経済が大きく変動しております。昨日の日経平均株価が６年ぶりに16,000円台を突破して、日本全体としての経済は上向いて来ていますけれど、北海道と釧路の経済がこれからどのように推移していくかを専門的な立場からいろいろ興味深い話しをしていただけると思いますので期待をしております。 最後になりましたけれど、皆さんにとりまして、来る2014年が素晴らしい年でありますように、また釧路クラブの活動に対してより一層ご理解とご協力を賜りますことを心からお願い申し上げまして、本年最後の会長挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました。
| 本日のプログラム |
| 今年の金融経済情勢と来年の展望について |
日本銀行釧路支店 支店長 石井 正信 会員
皆さん、こんにちは。私も、今年の６月からこちらでお世話になっています。本当に今年１年どうもありがとうございました。来年も引き続きよろしくお願いします。
本日は、『今年の金融経済情勢と来年の展望』についてお話しさせていただきます。お手元にも資料を用意していますが白黒なので、画面はカラーで見られますので、両方ご覧いただきながらお願いします。資料を多く作ってしまったので、端折りながらやらせていただきます。
まず、日本経済がどうなっているかというところと、先行きはどうかから話したいと思います。お手元の２ページのグラフです。いま、日本の経済は国内需要が堅調に推移していまして、海外経済を全体でみるとゆるやかに持ち直ししていて、日本経済全体は、ゆるやかに回復している状況です。先行きは内需が堅調さを維持するなかで、外需もゆるやかながら増加していくことから、生産・所得・支出の好循環は持続するとみております。２回の消費税率引き上げに伴う、駆け込み需要と、その反動の影響があるだろうと思っていますが、ならしてみれば、今０％台の半ばと推定されているのですが、日本の潜在成長率を上回る成長を続けると日本銀行としては予想しています。
これは、10月末、私どもの９人の政策委員、彼らの見通しの中央値です。2013年度は2.7％、2014年度は1.5％、2015年度も1.5％と成長を続けていくという見通しを立てています。こうしたなかで、物価はどうかですが、３ページです。これは消費者物価で、変動の大きい生鮮食品を除いているものです。ご覧いただくと、赤いグラフが消費者物価（除く生鮮食品）の前年比を表しているのですが、10月が一番新しいデータです。明日、11月のデ−タが出ますが、10月はプラスの0.9％になっています。
中を見ると、石油製品や電気代といったエネルギー関連が物価押し上げに寄与しているのですが、個人消費など内需が堅調に推移するなかで、幅広い品目に改善の動きが広がってきております。こうした動きは、食料・エネルギーを除く消費者物価（このグラフでは青い線）なのですがプラスになってきています。４ページをご覧ください。消費者物価の指数を作る時に集めている品物の種類や数を表しています。上昇した品目から下落した品目を引いたものですが、ようやく最近になって上昇している品目が多くなってきていて、物価がだんだん上がってきていると確認できると思います。
先行きについては、景気回復によるマクロ的な受給バランスの改善が物価の押し上げに寄与するほか、物価上昇率がだんだん高まってきていることがあって、世の中の方々の中長期的な予想インフレ率（将来、物価がどのように上がっていくだろうかということ）というのですが、これも上がってくると思っています。消費者物価の前年比は上昇傾向をたどると考えています。
５ページです。９人の政策委員の今後の見通しですが、2013年度0.7％、その後2014年度1.3％、2015年度1.9％。これは消費税の影響を除いているものですが、2015年度の見通し期間の後半にかけて、私どもがいま行っている物価安定の目標である２％程度に達する可能性が高いとみています。
次に、今回の景気回復の特徴について申し上げた上で、今後の注目していくべきポイントについてお話ししたいと思います。
６ページですが、今回の景気回復の特徴のひとつは、これまでですと輸出や製造業・大企業が牽引役になっている景気回復のパターンが多かったのですが、それとは異なって、個人消費や公共投資が今の足元の景気を引っ張っているということです。その結果として、製造業ではなく、非製造業が先に改善をしている特徴があげられます。６ページのグラフを見ていただきたいのですが、非製造業の活動水準を示す第３次産業活動指数という統計があるのです。これは（左の赤いグラフ）リーマンショック前の水準まで回復してきている。一方で、青色の鉱工業生産はまだリーマンショック前の８割ぐらいの水準にとどまっています。それから、右側の日銀で行っている短観調査ですが、状況判断ＤＩを見ていただきますと、非製造業の赤色の方が製造業の青色より先に業況が改善しています。
こうした景気回復のパターンを踏まえますと、先行きの景気回復の持続性をみていくうえでは、これまで景気を牽引してきた、内需の堅調さの持続性というのがポイントになります。内需が景気のポイントを支えている間に、海外経済が回復して、輸出が順調に増加してくるかというのが２つ目のポイントになります。
そのうちの海外経済についてご説明したいと思います。これは７ページです。海外経済の現状については、一部緩慢な動きも見られているのですが、全体的にはゆるやかに持ち直していると判断しています。先行きについては、先進国中心に持ち直しを続けていくとみていまして、こちらを示しているＩＭＦ（国際機関）の出している世界経済見通しです。世界経済の成長率は、右側の表の１番上の真ん中ですが、2013年は2.9％とやや低めの成長ですが、その先、2014年は3.6％、2015年は4.0％と緩やかに伸びを高めていく姿になっています。地域別にみてみますと、アメリカ経済については、財政面から景気下押し圧力がこれまで強かったのですが、それが徐々に和らいでいくなか、民間需要を中心に回復テンポが徐々に増していくと予想しています。数字を見ても、2013年の1.6から2.634と成長が高まっていく見通しになっています。
また、ヨーロッパの経済も内需が段々持ち直してくるだろうと見方をしていて、これに輸出の回復も加わり、先行き次第に持ち直してくると考えています。中国経済については、当局が構造問題の取り組みを進めるとともに景気回復に配慮した政策運営を進めるなか、安定した成長を維持するとみています。中国以外の新興国や資源国については、現在一部に弱めの動きが見られています。従って、当面は、やや成長に勢いを欠く状態が続くのですが、やや長い面でみれば、再び持ち直してくると考えています。ただ、ここは不確実性も大きいところなので、注意が必要なところと思っています。
今度は、国内に転じてみます。内需の持続的な回復という観点から、雇用所得動向がどうなっていくのかについて、少しお話ししたいと思います。今の雇用所得の動向を見ると、８ページのグラフですが、労働需給面では底堅い内需の動向等を受けて、ゆるやかながら着実な改善が続いています。赤い線の失業率が大体４％前後で、リーマンショック前の水準まで低下しています。こうした労働需給の改善が名目賃金にも影響し始めています。こちらは、名目賃金のグラフなのです。一般労働者の１人当たりの名目賃金の前年比は、時間外給与の増加や賞与が増えているところから小幅のプラスになっています。この赤いグラフの方です。又、青いグラフのパートの時間当たりの名目賃金も極ゆるやかですが、前年比プラス幅を拡大している状況です。先行きについては、労働需給の改善が続くなかで、名目賃金は次第に上昇圧力がかかってくるとみています。所定内給与については、いろいろ報道されているとおり、まだパート比率の上昇もあって、前年比マイナス圏なのですが、今後、徐々に所定内給与が浄化してくれば、家計支出の持続的な増加に寄与していくのではないかと考えられます。以上が賃金所得の関係です。
企業部門をみてみますと、企業収益の増加が設備投資に繋がっていかないと景気回復も続かないということになります。が、徐々にこれまではどちらかというと非製造業が中心だったのですが、出遅れていた製造業にも設備投資の改善の動きが見られています。10ページのグラフです。この青いグラフが設備投資の先行指標と言われている機械受注の統計です。機械の発注ベースの統計です。これから機械が作られて企業に納められていくことになるので、今ここが増えてきていますので、今後設備投資も増えていくものと見ています。
それから設備投資については（11ページ）、今後、だんだん量的金融緩和のもとで、実質金利が低下傾向にあることから、これまではどちらかというと投資を抑えてきているところがあるのですが、これが出てくるのではないかとみています。これは何を表しているかというと、設備の保有期間で、どれだけ古くなっているかが分かるのです。15年以上経った機械は1994年の白い部分とその上のオレンジ色の2013年を比べてみると、これだけ増えています。これは何を表しているかというと、これだけ設備投資を抑えてきているということなので、環境が良くなってくれば、設備投資が出てくる余地があると考えられるデータの１つと思っています。
最後に、金融政策について少しお話ししますと、４月から消費者物価上昇率２％の物価安定の目標を2年程度の期間を念頭において、出来るだけ早期に実現することをお約束した上で、これを裏打ちする政策として、量的質的金融緩和を導入しました。具体的には、マネタリーベース（現金と金融機関が日本銀行に預けている当座預金を足したもの）、これを年間約60兆から70兆円増加させ、２年で2倍に拡大する。これを実現するために長期国債の保有額が年間約50兆円増加するように改良を行っているところです。
このグラフが今の状況です。こちら11月末データですが、大体、当初の考えていた目標に沿って動いています。
効果については３つ目にある「期待の抜本的転換」がひとつ鍵になるところです。金融市場の動向ですが、今、長期金利が、10年物の長期金利で0.6％台です。今日は0.7％と少し上がってきていますが、この位で低位安定という状況です。為替は、今104円台まで円安が進んできています。株は、先ほど会長からお話ありましたとおり、昨日1万6000円を超えて、今日も午前中さらに上がっている状況です。
以上が日本経済、私どもの金融政策について、お話しさせていただきましたが、当地はどうかについてお話させていただきます。
道東景気、道東というのは釧路・根室・十勝の３つを合わせて見ているのですが、現在、景気は着実に持ち直していると判断しております。１つの調査として、12月16日に公表した、道東地域の短観調査の結果です。これは123社の方にご協力いただいているものですが、表の12月という所の１番上に20という数字があります。これは企業の方の「景気が良いと見られる方」から「悪いとみられる方」の割合を引いたものです。12月は「良い」と答えた方が20％多いのです。下のグラフでは、この黒い太線がかなり高い水準にあります。これは1991年以来の高い水準です。当地の企業の方の「景気が良い」とみられる方がこれだけ多いという状況です。もちろん、91年当時の経済と今と全く同じなのかと言われると、それは感じ方ですので、一概にそうとは言えないのですが、今のひとつ当地の景気の状況を表すデータと思っています。
具体的にもう少し細かく当地の経済はどんな感じなのかですが、22ページをご覧ください。今、当地は、まず公共投資が引っ張って、景気が着実に持ち直している状況です。左側の統計、公共工事の請負金額（発注ベース）が、前年を大きく上回って推移してきています。もう１つ、景気が良い要因として、住宅着工が増えてきています。消費税増税の前の駆け込み需要というのもあって、右側のオレンジ色のグラフですが、持ち家を中心に着工が増えてきています。こちらについては、今後、駆け込みが一巡してしまいましたので少し動きとしては弱くなるとみているところです。左側の設備投資の部分ですが、設備投資は当地ではここ3年ほど、2010年・2011年・2012年と、大型の投資が続いたというのがありまして、今年度2013年度は少し弱めとなっています。こちらの左側のグラフをご覧いただいても、最近の12月の調査では、前年比でマイナス３割位となっていますが、これは調査の回を重ねるごとに、このマイナス幅が小さくなってきていて、徐々に設備投資の積み増しの動きが出てきています。個人消費については、新車の登録台数が伸びています。新車導入効果や消費増税前の駆け込みもあって、足元は非常に好調というところです。
雇用情勢について少しふれさせていただきます。27ページです。雇用情勢については景気が持ち直しの動きを受けて、着実にこちらも持ち直してきています。有効求人倍率が左側にあるのですが、道東管内は赤いところで、10月までしかデータが入っていないのですが、0.92倍となっています。当釧路地区は0.82倍となっています。昨日、11月のデータが入りまして、0.83倍でさらに有効求人倍率が改善しています。業種で見ると右側ですが、建設業や小売り・医療福祉関係、この３つの業種は求人が多くなっているのですが、雇用のミスマッチが生じていて、求人がありますが人が採れないという状況が続いています。
以上、駆け足で今の状況を説明したのですが、今後の展望というところです。「来年はどうか」ですが、当地は内需が堅調さを維持するなかで、当地経済もゆるやかに回復していくと考えています。
先ほども、申し上げましたが、国内需要が堅調さを維持していくためには、雇用所得環境の改善がその消費を支えるという前向きの循環が持続することが重要であって、今後、賃金動向がどうなっていくのかというのが、最大のポイントだと思っています。また、海外経済の動向も不確実性が大きいということでして、ここもポイントかなと思います。さらに、当地経済の産業構造上、公共投資などの政策効果の持続性もポイントだと思います。逆にこの点に関していうと、雇用の部分で説明した建設業の人手不足が最近目立っているといった供給側にボトルネックが生じてきていることにも注意が必要と思っております。
以上、駆け足になりましたが、今年の景気情勢それから来年の展望をご説明させていただきました。どうもありがとうございました。
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