2005〜2006年度 第23回(通算2911回) 例会報告
2005. 12. 28
会長 石田 博司   幹事 武石 光樹   広報・会報委員長  五明正吉
会長の時間
 会 長  石 田 博 司 君

年末なので笑顔で新年を迎えたいと思いますが、オリンピックのカール・ルイスが昔走っている時、80メートル位から追い抜いていく走り方をしたそうですが、その時彼は笑っているそうです。それはコーチが笑えと指示をだすそうです。人間は笑っている時に一番能力を発揮出来るそうです。大舞台を全力で走っている時に笑える訳はないのですが、眉間に皺を寄せながら一生懸命笑顔を作って走った。これは事実だそうです。その話を聞いた日本のプロ野球の選手やその他のアスリートも同じ様に、「私もコーチから言われた事がある」という話をこの間何かで読みました。私もいざという時出来るだけ微笑む様にはしているのですが、中々笑顔は出せないと思います。照れ笑いは得意で、苦笑いや上手くやった時のニタッーとする笑いは出来るのですが、素敵な笑顔は出せないと思います。ロータリーの手帳を作る時に工藤君の処へ写真を撮りに行き、「石田さん笑って下さい。」と言われ、一生懸命本人は笑っているのですが、出来た写真を見ると全然笑っていない。いかに普段から笑わず顔の表情筋がこわばっているのかと反省しています。新年は素敵な笑顔で迎えたいと思います。皆さんも何か事がある時には、まずニコッと笑ってから臨まれると良いかと思います。皆様のお役に立てばとお話しました。ありがとうございました。

 

会長の時間
 1. 釧路南RC   12/23(金)  休 会 (天皇誕生日)
 2. 釧路西RC.  12/26(月)  休 会 (理事会裁量)
 3. 釧路東RC   12/27(火)  休 会
 4. 釧路ベイRC  12/27(火)  休 会 
 5. 釧路北RC   12/28(水)  休 会
会長の時間
今年の道東経済を振り返る」


日本銀行 釧路支店長   野村幸男 氏

           

皆さんこんにちは。今日はこういう形でお話をさせて頂くことになりまして、誠に光栄です。消化の悪い話をさせて頂きますのでどうか宜しくお願い致します。本題に入る前にいきなり脱線しますが、私ども昨年の11月から弊社の新しい商品券を発行させて頂いていますが、お蔭様で大変順調でございます。発行残高が今は75兆円位で100億枚程ありますが、うち65%が新しいお札と入れ替わっています。私どもに戻ってくるお金の約90%が新しいお金でございますし、皆さんが普段お使いになるにあたっても、もう古いお札は中々ご覧になれないのではというくらい、新しいお札が流通しています。私どもの店でもこの年末までで累計で約5千億円くらい発行していると思います。大変な売り上げです。ありがとうございます。もっとも先程65%と申し上げましたが、発行1年で前回改札の時は20年前ですが1年で80%位までになっています。今回は1年経って65%ですので少し頭打ちです。残りの15%、約10兆円くらいなのですがどこにあるのだろうと思っています。先程申し上げたように通常の取引は新しいお札になっていることからしますと、低金利とは言っても10兆円分のお金は何処かのたんすや景気のよい方がいらして現金を溜め込んでいらっしゃるのだと思います。お札は前にも申し上げたと思いますが、非常に品質がよく、栄養価も高いのでほって置きますとカビが発生しますし、微生物が繁殖してぼろぼろになったり、ねずみがかじるという事もありますので、もしお心当たりのある方がいらっしゃいましたら、お家に帰ってご覧になった方がよいと思います。特によくあるのが台所のシンク、何故そういう所に置くのか私はよく分かりませんが、あの様な湿気の多い所に紙袋か何かに入れて置いておきますと、湿気を沢山含んでカビが大発生致します。何年か経って見てみるとぼろぼろになっているという事があるので、充分ご留意を頂きたいと思います。私どもでは、ついでに申し上げますと昔発行してきたお札をそのまま発行停止にせず、現在でも使用できます。お配りした資料の一番最後にパンフレットがございますが、現在有効な紙幣が今回の紙幣を含めて22種類ございます。現在でも聖徳太子の1万円とか伊藤博文の1000円はおろか懐かしの板垣退助の100円札、聖徳太子の1000円札等が私どもの店でも月に数千枚単位で戻ってまいります。これは勿体ないのですが大型のシュレッターで粉砕する事になっております。お札の話と言う事で脱線から脱線で中々本題に入らないのですが、3つばかり話をしますと、3大話でそこのパンフレットの中から価値ある1円札、10十円札の呪い、道東と2000円札の活況という事で3つお話をさせて頂きます、裏面の一番下に1円札が載っており3つ並んでいますが、もしお家に帰り真ん中のお札があるとこれは相当、骨董価値があります。これはまだ日本が金本位制になる前の銀本位制ですから日本銀行兌換銀券と書いてある。恐らくぼろぼろのが、出てきても数万円、奇麗なピン札なら4、50万円はするでしょう。右側の竹之内宿禰の1円札もうん万円位の価値はあると思いますし、左もうん百円からうん千円位の価値があると思いますので、お家に帰られてこういう物をコレクションされていたり、どこかで見た事があると言う方がいらっしゃいましたら、私が鑑定させて頂きますので何時でもお持ち頂ければと思います。1円札の左上に10円札というのがあり、これは曰くつきのお札で、戦争に負けた後、日本がお札を作る時に人間が全部駄目になり、例えば菅原道真とか和気清麻呂とかが全部使えなくなってしまった。それで本当はここに伐折羅大将という仏様を入れる予定だったのが、伐折羅大将というのは怖い鬼の様な顔をしており、日本は当時占領されていたのでGHQがこの様な怖い顔を載せてはいけないという事で、仕方がなく国会議事堂を入れたのです。10円札をご覧頂きますと左から何となく米国と読めるのです。十字架の中に国会議事堂を張り付けにしていて、右側には菊の御紋章を鎖で繋いである。甚だしいのは国会議事堂の下にちょっと黒っぽいのがあるのですが、これは戦艦大和が黒煙を上げている。こういう曰く付きで、見た人は見たと言う事で、別にその様な事が言いたくて作っている訳ではないのですが、その様な事になっていたという事です。それから3番目は2000円札なのですが前支店長の時代から皆様に大変ご協力を賜りありがとうございます。実は2000円というのは余りご覧にならないかもしれませんが、我が釧路支店は全国で2番目に発行量が今年は多い店です。1番多いのは那覇支店です。那覇は勿論守礼の門が出ていますので当然ですが、後でお話しますが景気は下から2番目位なのですが、2000円札の発行については僅かですが全国の中では、今年1年の発行枚数では健闘しているので引き続きご協力宜しくお願い致します。

これからが本題で、時間を大分使ってしまいましたが景気の話をさせて頂きます。まず景気と言いますと全国のマクロの景気ですが、経済は何処でも繋がっていますので大なり小なり影響し合うものですが、今年は昨年半ばから続いていました景気の踊り場という所から脱却し、非常にはっきりした回復過程にあるのが現状です。これまで長期のリストラ、失われた10年とか15年とか言われておりましたが、3つの過剰の設備、雇用、債務といったものをこの15年の間に解消して、全国の話ですが企業収益が非常に好調です。設備投資が増え、儲けた部分が少しずつ家計部門に染み出してきて賃金、雇用が拡大し、個人消費が堅調に推移している。高額商品も今動移があると聞いております。今後は個人消費がよくなってくると企業の物を沢山買うので、企業部門の好調を更にサポートするという形で好循環になる公算があるという事です。お配りした資料の1ページ目をめくって頂きますと詳しくはご説明しませんが、上に実質GDPの前期比というのが書いてあります。四半期ごとの前期比です。ですから0より上にあれば前の期より成長していると言う事ですが、2004年は少し伸び悩んでいますが2005年に入り少し成長率が高まっているのがお分かり頂けると思います。実質成長率というのは、いわば売上高ではございません。金額ではなく売上個数の様な事ですが、2003年度は前年比2.3%の成長でした。2004年度は少し落ちて1.7%でした。今年は前半稼いでおりますので、仮に10月以降0成長であっても2.5%の成長になるという見通しです。景気がよいと言っても精々この程度だと言う事をご認識頂きたいと思います。日本の人口の増加や技術革新の度合いに関するとこれでも高い方で、昔のバブル期のような年率数%、その前の高度成長期の様な10数%という事は、それが好景気だとお思いになってらっしゃいますと、この先には中々現れないと思います。その様な低成長の中でどの様に儲けを上げていくか、収益を上げていくかがポイントになります。下の方は輸出の数字で今回景気の倹約でございました輸出の数字が載っておりますが、これは割愛させて頂きます。石油価格が高騰しており、非常に問題だという事になっております。これは勿論予断を許さないのですが、現状ではどうかと言いますと、日本全体としては石油が上がるとまず考えられるのは、教科書的に言いますと、所得が産油国に移転してしまい使えるお金が少なくなって日本の景気が悪くなる。それから石油を沢山使うアメリカと中国の景気が悪くなって、日本の輸出が伸び悩んで景気が悪くなる。2つのルートがあるわけですが、今のところ中東産油国を中心にロシアもそうですがお金ががばがば入ってきておりますので、それをどんどん使っています。一例を挙げると日本からの自動車の輸出が中東向けに非常に伸びております。従いましてお金が回っておりますので石油の高騰については今のところ価格は上がっていますが、それ程大きな景気を冷やす要因にはなっておりません。これが全国の姿ですが今言いました様に輸出する物が有る所ではそうなりますが、北海道のように中東向けに輸出する物が沢山ないところは石油代金としてとられっぱなしという事で、当然ながら北海道、道東を見ればマイナスでございます。それでは道東の景気はどうか、次のページを捲って、3ページ目を開いて頂きますと短観というのが載っております。去年もお見せしたと思いますが、今申し上げた全国の景気の情勢から致しまして、また私が上京致しまして支店長会議があり、そこで色々討議をするのですが、他の地域、特に関東、東海、近畿地方の景気は日本語が通じない様な感じで非常にご当地の景気の情勢とは違います。図表3の上に短観の業況判断DIと言うのが載っております。昨年もご説明しましたが、ここにご列席の皆様の会社にもご協力頂いている方がいらっしゃいますが、道東150社の企業の皆様に景気はよいか、変わらないか、悪いか3つの内1つ答えて頂くという非常に簡単なアンケートでございます。自慢は景気の山谷を日本銀行として短観は外した事がない。道東150社、北海道500社、全国で約10,000社にアンケートを取っております。よいと答えた企業から悪いと答えた企業を差し引きまして百分比で表しております。全ての企業がよいと答えると100ですし、悪いと答えるとマイナス100その間にある訳です。今回の景気回復は2002年初頭でございます。平成14年の初頭です。ご覧頂いて赤いグラフが管内と書いているのが道東150社、その上に実線で書いてあるのが北海道500社、点線で書いてあり0のところに掛かっていますのが全国10,000万社の平均でございます。上に大きく伸びておりますのが今回の景気の倹約の製造業、大企業です。スタートラインは大体同じところですが輸出を主軸としまして全国の大企業、製造業がぐんぐん業況をよくして行き、それに引っ張られ全国平均としては0のところまで行っておりますが、北海道、道東の伸びは中々上がっていないのが実情です。その下に地域別が載っておりますが、釧路はマイナス23という数字で、北海道はマイナス12、一番良いところは横浜でプラス18のところに入っています。私どもでは本支店が本店1ヶ所と支店32ヵ店ございまして、33ヵ店でこういう調査をやっておりますが、釧路支店の位置付けは33番目でございますから、下から2番目というのが現状です。実は9月までは下から4番目だったのですが、東北地方と山陰地方で少しこけていたところが、景気がよくなりまして1ポイント抜かされてしまったという、非常に悔しい思いをしております。ちなみに一番業況が悪いところが四国の高知で、ここは人口が少ないのと公共事業のマイナスの影響が大きく出ているのかと思っております。次のページが長期の時系列でして横に見て頂きたいのですが、色が少し変わっておりますが管内が赤、北海道が黒、全国は青で表しております。バブル以降の山谷は大体同じ山谷の深さで山の高さは全国と大体ご当地に於いても全く同じような動きをしていたのですが、時期はずれておりますが、今回は全国の持ち上がり方に比べると足取りが鈍いというのが右端のグラフをご覧頂いてお分かり頂けると思います。おそらくこの影響は2つで、1つは公共事業が削減されているので埋め戻しが中々難しい事。構造的な問題で先程言いました様に、今回の景気を引っ張っているのが輸出主導型の加工組立型自動車の様な物ですが、その様な産業がご当地に無いというところだと思います。結局、過去のご当地に於けるどん底時代は何時かよく分からない部分もありますが、炭鉱が閉山し、問題があった時に比べると、苦しいながらも少しずつ水準を上げつつあるのは間違いございません。この1年を振り返って見ても特に後半は先程全国景気とは繋がっていると申しましたが、やはり全国景気回復の影響を「じわじわ」の「じわ」くらいは、受けて今は釧路の経済の底固めをしている時期なのかと見ております。減収減益の中でも企業の前向きな設備投資が続いていますし、来期への期待が大いに持てるところです。全国景気の影響という事では、紙パルプの他に道内外のマンション需要の硬直、木材、木製品、それからこのところ一部の水産加工業者で、首都圏向けの高級食材のお歳暮贈答品が非常に動きがよいという話を聞いております。それから知床効果等から観光関係も少し良くなっている。相変わらず小売関係や建設の一部につきましては業況感がよいとは答えてくれない。少々脱線しますが公共事業の話をしますと、大昔は景気のよい地方と悪い地方があると労働力が移動する形で、古くは集団就職や出稼ぎで景気の悪いところからよいところへ人が移動する形でした。それが1970年頃から公共事業という外資がふんだんに投入されて、景気のよい地方の税収を持ってきて地方に所得を移転して中央と地方の所得間格差を補填する、こういう姿だったのが最近は財政難から公共事業はとみに減少しています。釧路地区の公共事業はピークが平成10年で国と道と市町村の金額、釧路地区のものを合わせると1,204億円でしたが、最近は527億円ですから600億円位需要が落ち込んでいるので小売が中々良くなる訳がない。一方、国と地方の長期債務は今年度末で予想では774兆円ですから人口1億人で抱えるにはかなり大きな水準です。GDPの対比では1.5倍で150%超えています。米、英、独、仏の先進国の平均が60%ですから、相当、国の債務が大きいです。継続的に公共事業がこれからバンバン出て来るのは考えにくいです。公共事業の気運が低下したのなら昔に戻り労働力を移動させる、すなわち景気のよいところに人が動く。ご承知のように札幌への集中とか豊田の工場への出稼ぎの形でその傾向はあるのですが、昔は子供が沢山いたので人が移動しても子供が成長していくので人口が維持されましたが、今の少子化の中でこれをしますと、結局働き手が地域から居なくなり、地域の老齢化に拍車が掛かり非常に大変な事です。では子供を沢山作るかといいますと、簡単には私どもの歳になると難しくなります。冗談はさて置き、よく子供を沢山作りましょうと言っている方もいます。それも必要ですが、今仮にそれが上手くいき、子供が沢山出来るとどの様な事が起こるか。これから老齢化社会になり老人に対して支払いが増えていく中で、今度は子供に対する支払いや財政負担が掛かる訳です。今は子供が少ないので小学校を統廃合していますが、子供が増えてくると今度は小学校を作らなければいけない。従って老齢化と子供が増えるのと両輪になると、かなり地域にとっても大きな負担でなかなかその様な訳には行かない。結局どうすればよいのか、勝手な持論を展開しますと、現状を打破するのは地元企業が頑張るしかないと私は思っています。地域を活性化させるには外貨です。外からのお金で景気の良いところからお金を稼いでくるのが一番で、それにより工場を建て、施設を建て、雇用機会を拡大して人口を維持する事が必要です。外貨を稼ぐには大きく2つです。1つは地域の物を外に売り込んでいく事、もう1つは外の人に来てもらってお金を落としてもらう事。一部の水産加工品で本州では非常に好評でこのところ好景気で売り上げも増加しています。観光では知床の知床効果がある間に私どもの試算では約200億円位の知床効果があるのですが、網走から層雲峡に抜けていってしまうと、こちらに落ちるお金がありません。

(テープ一時中断)

釧根地方の酪農牛乳のシェアは全国の14%、全国の1割のシェアがあるのはご当地にある訳でございまして、この様な物を使いビジネスチャンスを広げていく必要があるのではと思っています。釧路でも私どもがヒアリングをしていますと、これまでの技術に裏打ちされた、新しい価値の創造とか高い質のサービスの提供で元気のよい企業が沢山あります。今、こうしたところは積極的に設備投資を行なっていますし、売り上げ収益も伸びています。中々起死回生の妙示は直ぐに出てきませんが、私はこういう場ではいつも申し上げていますが、景気は良くなる物ではなく良くする物だと思っています。そういうメッセージをお伝えして、丁度時間ですのでお話を終えたいと思います。ご静聴ありがとうございました。




会長の時間
12月29日(木)  「上期を振り返って」   
会長の時間 会長の時間
本日合計 本年度累計
26.000円 814.000円
日時 会員数 出席率
12月15日 98名