2005〜2006年度 第32回(通算2920回) 例会報告
2006.02.28
会長 石田 博司   幹事 武石 光樹   広報・会報委員長  五明正吉
会長の時間

 会 長  石 田 博 司 君



こんにちわ。我が日本は不振の状態でオリンピックが進んでいる様ですが、勝負の世界は大変厳しい物と思い、中々努力は報われないと今更ながら思っています。勝負の話で以前に聞いた話なのですが、勝負事に勝ち方が3つある。下の勝ち方は戦って勝つ、中の勝ち方は勝って戦う、上の勝ち方は戦わずして勝つ。というのを教わった事があります。これは皆様がなさるゴルフでも賭け事でもそうでしょうし、広く商いを勝負とみた場合でもそう言えるのではないかと思うのです。戦って勝つと言うのは互角で勝つという事。勝って戦うというのは力の差が歴然としているという事。大人と小学生が相撲を取る形で勝つのが勝って戦う。最後の一番良いのは戦わずして勝つ。これは相手の戦意を喪失させてしまったり、あるいは「三十六計逃げるにしかず」という言葉がありますが、時には「逃げる」を上策となすという判断が戦わずして勝つという事かなと思います。これもラジオで聞いたのですが、将棋のチャンピオンになる人は皆人柄が良いのだそうです。例えば将棋以外の時に飲みに行ったり、食事に行ったりしても決して人を逸らす事がない。とても爽やかで人当たりが良いと同じ将棋指しが言うのですが、何故かというと将棋というのは投了という言葉があり、そこで負けましたとなるのですが、時には粘って逆転が起こる事があるそうです。対戦相手同士がこいつには負けたくないと思うと、最後に粘って意外な逆転が起こる場合があるそうです。それでチャンピオンになる様な人は普段からとても人柄も良く、「こいつに負けても仕方がない。」と思わせる人格の持ち主が多い。谷川さん、羽生さん、中原さんもそうだと名前を挙げていましたがその様な物だそうです。余計な敵意は向けられない方が良いかなと我が生き方も大いに反省しなければいけないと思いながら聞いた話でした。ありがとうございます。

会長の時間
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会長の時間
「心臓停止!!その時役立つAEDの活用法」
釧路市中央消防署 救急主幹  木村 洋一 氏

釧路市中央消防署
 救急主幹

 
 木村 洋一 氏  


ただいま紹介を頂いた木村です。宜しくお願い致します。本日は釧路ロータリークラブの例会にAEDを取り上げて頂き本当にありがとうございます。30分という限られた時間ですが、この機会にAEDの必要性についてご理解頂くと共に、皆さんに普及の協力もお願いしたいと思っています。これから皆さんに実際のAEDがどの様な物かというのを見て頂き、その後10分程私の話をしてからAEDの取り扱いについてのビデオを用意しています。10分程度観て頂いて最後にAEDのトレーニングの機械を持ってきていますので、実際に作動し、どの様な物か見て頂ければと思います。今日のテーマのAEDですが、これが本物のAEDです。後でビデオでも説明しますし、その後に実際にトレーニングの機械を使い行います。今は見るだけという事ですが、こちらはトレーニングの機械で同じ機械です。AEDは色々な種類があり、これ一種類ではなく沢山の種類があります。取り扱いはほぼ同じと覚えておいて頂きたいと思います。これは実際のAEDなのですが、今どなたか心臓発作で倒れられた場合ですが救命率は高いです。恐らく助かるのではないかと思う位素晴らしい物です。それではAEDとは何かというところから始めたいと思います。AEDとは自動体外式除細動機。いわゆる心臓の止まった人に自動的に電気ショックを掛けて心臓を蘇らせる。心臓は普段拡張、収縮を繰り返しているのですが急に心臓が止まってしまった。心疾患、心筋梗塞、心不全等ありますが突然止まってしまった場合は、心臓が完全に止まったのではなく止まって暫くの間はブルブル震えている状態になります。この震えている状態の事を心室細動といい、このブルブル震えている心室細動は大体80%位が最初の段階で震えている。この間に電気ショックをドンと掛けると収縮、拡張し元のリズムに戻る。その確率は非常に高いです。除細動の実際は心停止してから大体5分以内に行うのが蘇生の確率が高い。心室細動が始まって大体1分遅れる事に10%位救命率が下がって行きます。ですから5分で50%位です。救急車到着時間が平均で5、6分というところで、全国平均で6分、釧路でも5、6分でその年によりちょっと違います。救命の確率は救急車が到着して40%位しかない。それではどうすれば良いかという事になると、その場にいる人が救命する。AEDを掛けるのが一番望まれる事になります。私も除細動機を使って居る現場を職業柄何度か見ていますが、救急車の中に除細動機は当然積んでいます。また、病院でも助再動機はありますので、すぐ掛けられる。今心臓も呼吸も止まってしまった人に除細動をドンと掛けると、呼吸も脈拍も回復し、その内意識も回復して話が出来るようになる。本当に短時間でその様な現象が起こり劇的な回復力です。上手いタイミングで出来ればですが、そのくらい威力のあるものです。そこでAEDは誰でも使えるのかという事ですが、以前はお医者さんだけでしたが平成3年に救急救命士制度が出来て除細動を掛けられる様になった。ただ、先程言いました様に救急車が到着するまで6分なので、何としても現場にいる人にやって欲しいという事で平成16年7月1日から非医療従事者によるという事で、一般の人にもという意味です。自動体外式除細動機、AEDの使用についての通達が出されて一般の市民にAEDが使えるようになった。その背景で一番最初に私達が聞いたのは飛行機の乗務員さんにAEDを使わせる。飛行機にお医者さんを常駐させるのは当然出来ないでしょうし、乗っていたとしても確率は非常に低いので乗務員さんにAEDを使わせる様にしたらどうか、と欧米で法改正をしてそうなっています。日本でも2002年に高松宮様がスッカシュの競技中に突然倒れた。その時に、その場所にAEDが置かれていれば恐らく助かっただろうと、日本でも何とか一般の市民が扱える様にしたらどうだろうかという事で、結果的に平成16年7月1日に皆さんが出来る様になった。この前「・地球博」がありましたが、会場にAEDを100台位設置し、その中で何人かが倒れ、救命された方が2人、3人、4人とかと話がありますが、いずれにしてもAEDを使い救命された人が居るという事です。次に使うのには資格は要るのかという事ですが、特に資格は必要ありません。只、AEDを安全適切に使うとなると、講習を受けないと、劇的に効く物ではありますが、非常に危険だという部分も持っています。安全に使う為に釧路市消防本部、私達のところですが、現在救命の為の講習会の中にAEDを組み込んで実施しています。この講習を受けて頂ければ簡単に実施する事が出来る様になると思います。出来るだけ申し込んで頂きたいと思います。実際にはどの様な時に使うかというと、この様な場で誰かが倒れ、息も無く、体も全然動かないと呼吸も心臓も止まっている事が考えられます。呼吸も心臓も止まっている場合は、人口呼吸とか心臓マッサージは皆さんお馴染みで判っている事と思います。一般的にはこれを心肺蘇生法と言います。これにAEDを併用して使うという事に成ります。ブルブル震えている心室細動を心肺蘇生法、人口呼吸、心臓マッサージで取り除く事はほとんど出来ません。出来るのはAEDだけと言っても良いと思います。何故心肺蘇生法が必要なのかと言いますと、人口呼吸、心臓マッサージをして脳に行く血流を確保する。救急隊は5分、6分掛かりその間やって頂ければ脳に行く血流は保たれるので非常に有効です。もう一つは1分間に10%ずつ救命率が下がって来るという事ですが、心臓の震えている状態は人口呼吸、心臓マッサージをする事により延長される。ですから救急隊が到着した時でもまだ震えが残っているので人口呼吸、心臓マッサージ、心肺蘇生法は非常に大事な部分です。両方覚えてもらう事が必要になると思います。AEDの操作のビデオを持ってきていますので、まずそちらを見て頂きたいと思います。

ビデオ

このビデオでは8歳以上の人を対象にしたAEDの使用方法についてご説明します。AEDとは自動体外式助再動機の事で心臓の痙攣を正常に戻す為に電気ショックを加える装置です。AEDは内蔵されたコンピュータが心電図を解析し除細動が必要か必要で無いかを音声等で指示します。AEDの機種は現在この様な幾つかのタイプがありますが基本的な取り扱い方法は同じです。まずAEDを準備して下さい。AEDが到着したら蓋を開け電源ボタンを押します。蓋を開けると自動的に電源が入る機種もあります。電源が入るとその後の行動はAEDが音声で指示します。なお機種によっては音声の他にメッセージが画面に表示される物もあります。次に電極パットを取り出します。電極パットは必ず皮膚に直接張る必要があります。傷病者の衣服を取り除き胸部を開いて下さい。電極パットの入ったパッケージを開封し、電極パットを台紙から剥がします。粘着面を胸部に直接しっかりと貼り付けます。電極パットの一方は右胸の鎖骨より下のところに、もう一方は左の脇の下より5cmから8cm下のところに貼り付けます。貼り付ける位置は電極パットに絵で示してあります。電極パットを貼り付ける時には次の事に注意して下さい。電極パットは皮膚に密着させる事が大切です。パットと皮膚の間に隙間があると電気抵抗が大きくなり、火傷の原因ともなり除細動の効果が得られにくくなってしまいます。傷病者の胸が濡れている時は、乾いた布で胸全体の水分を拭き取ってから電極パットを貼り付けます。濡れたままだと電流が心臓に流れ難くなり、周囲の人が感電する恐れもあるので危険です。胸に貼られている薬等がある場合には胸に貼られている物を剥がして薬剤を拭き取ってから電極パットを貼り付けます。貼られている物の上から電極パットを貼り付けてしまうと、電流が心臓に流れにくくなり、火傷の原因ともなります。植え込み型ペースメーカーや植え込み型除細動機は胸の内部に埋め込まれているので、堅い突起物として確認する事が出来ます。もし胸の表面に堅い突起物があったら電極パットを3cm程離して、密着する様に貼り付けます。傷病者が金属製のアクセサリーを身に着けている場合、直ぐに外せる様ならば外して下さい。これらの注意点を踏まえ電極パットを正しい位置に貼り付けて下さい。次に電極パットのコネクターがきちんと接続されているかを確認して下さい。コネクターと本体が分離している機種は、電極パットを貼り付けてからコネクターを接続する様にして下さい。又、コネクターと本体が初めから接続されている機種もあります。次は心電図の解析へと進みます。電極パットを貼り付けると音声メッセージが流れ、自動的に心電図の解析が始まります。心電図の解析中は誰も傷病者に触れていない事を確認して下さい。この時AEDは除細動を行う必要があるかどうかを調べています。除細動を行う必要がある場合は音声メッセージが流れ自動的に充電が始まります。充電が完了すると音声メッセージに寄る指示や除細動ボタンの点滅、充電完了の連続音が出ます。誰も傷病者に触れていない事を確認してから除細動ボタンを押します。除細動が行われると傷病者の体やその一部が跳ね上がる様に動きます。除細動が行われた後AEDは再び自動的に心電図の解析を始めます。AEDから次の指示があるまでは傷病者に絶対に触れないで下さい。解析の結果、再び除細動を行う必要を告げるメッセージが出た場合には、もう一度誰も傷病者に触れていない事を確認して除細動ボタンを押します。除細動は連続して3回まで行う事が出来ます。電気ショックが必要ありません等の音声メッセージが出た場合、心臓が電気ショックを必要としなくなった事を意味しますが、これは正常な状態に改善した場合だけではなく、逆に心停止や無脈性電気活動となった場合も含まれます。電気ショックは必要ありませんとの指示が出たら電極パットは剥がさず、AEDの電源を入れたままにして循環のサインを調べます。循環のサインが見られなければ電極パットは剥がさずAEDの電源を入れたままにして、心臓マッサージ15回と人口呼吸2回を継続します。循環のサインがあっても呼吸が無ければ人口呼吸を5秒に1回の割合で行います。救急隊が到着し引き継ぐまでは電極パットは剥がさず、AEDの電源を入れたままにしておいて下さい。以上の手順に従いAEDの取り扱いを正確に行う事でより迅速な応急手当を行って下さい。このビデオはAEDの取り扱いを説明する為のビデオです。実際よりも時間を掛けた応急手当を行っていますが、除細動を必要とする様な緊急の場合には、より迅速に応急手当を行う様にして下さい。

木村

今、観て頂いた通りやってはいけない事がありまして、本来AEDは必要な人にだけ作動するのであり、必要の無い人には作動しない事になっています。その様な面では安全なのですが、やってはいけない禁忌事項があります。ですから是非緊急講習でAEDを勉強して欲しいと思います。今のは8才以上になっていましたが、もう一つ25kg以上をクリアしないとAEDは使えない。小さな子供には使えない事になっています。今のは心電図解析という事ですがこちらの機械は心電図は出ません。値段によってもAEDは色々な種類があります。その種類の中には心電図波形が出る物、出ない物があり、ただ、出ても出なくても機能的には同じです。見て人が判断するのではなく機械が判断するのです。観て頂いた通り普通の心電図でブルブル成っていたのが、震えている時の心電図の波形です。それをボンと掛けると普通の心電図で、皆さんよく目にする事はあると思いますが、普通の心電図の波形になる。本物は実際使う訳には行きませんので、トレーニングの方で行います。今、観て貰った通りの事ですが、中にこの様なパッドが入っています。これは同じです。初めからコネクターが刺さった物、あるいは外れている物があり、これは外れている物です。ですから差し込まなければいけない。これは先程も出ていた物ですが、これを剥がして体に付ける。付けるのは図に書いてありますので、その通りに貼って貰う。そして電源を入れます。貼った物として電極を入れます。電極を入れると作動します。通電ボタンはこれになります。また、解析します。この様な事で心室細動をとらえると機械が自動的に作動する。この除細動機とはブルブル震えている状態を取るという意味です。元に戻すという事ではなく、ボンと掛けた途端に心臓が止まる事は幾らでもあります。ですが助再動という事では精巧なのです。ブルブル震えているのを取る為の機械ですから、取って元に戻るか、そのままになるかの違いです。ただ、心静止というのですが心電図がピーっとなる。それから人口呼吸、心臓マッサージを始めると、また、心臓が震える状態になってくる。ならない場合もありますがなってくる。また、この除細動機を使いドンと掛けると一発で元に戻る場合、4発、5発、先生によっては10発位掛ける先生もありますが。ただ、除細動機は細動を取る為の機械です。ですから取れれば成功なのですが、いずれにしての元の状態に戻れば一番良い事です。この様な機械を消防本部に来て頂ければ使って頂いて、皆さんに心肺蘇生法と併せてAEDの取り扱い方法を行っていますので、是非AEDを導入して貰うのを皆さんにお願いしたい。この会場に1機あれば何かあった時に直ぐ使えます。私が持って帰ると無くなりますので、後は何か質問があればお受けします。

質問

それが使える為の講習はどの位掛かるのでしょうか。

木村氏

講習は色々時間帯があり、皆さんの都合に合わせる事も出来ますし、一般には3時間コース、医療関係者の方には4時間コースがあります。その他に時間が取れなければ2時間。1時間は心肺蘇生法と絡み併せて講習しますので、1時間は難しいと思いますが、2時間位取れれば実施する事が出来ます。当消防本部としては皆さんの都合に合わせて、何時でも対応しますという事を前提にして行っています。余程の事が無い限り申請があった物についてお断りする事はありません。こちらで普及、啓発に努めているので営業を掛けてでも皆さんに覚えて貰いたい。

質問

講習を受けていないと使えないのか。

木村

その様な事はなく、法的に講習を受けなければならないという事は無いのですが、先程もいいました通り、受けていないと非常に危険な事があります。まず感電、ドンと跳ねる位の電流が流れますので付いていると自分も一緒になります。当然メッセージで危険なので離れて下さいと流れます。これだけは気を付けて貰いたい。その他にも沢山ありますが。

質問

それは1台幾ら位するのか。

木村氏

値段は色々です。私の方から幾らとは言えませんが、ネットで観ると20万円、30万円。高くなると40万円、50万円、60万円で色々です。外国製なら20万円以下です。これも外国製ですが、それ位で売っているかなと思います。いずれにしても30万円から40万円と思っていれば良いかと思います。何かまとめて買うと安くなるという話もあります。後何かありますか。

質問

今は市内に何台ぐらいあるのですか。

木村

それは私達の方に情報として余り入って来ていません。最近になり「導入しましたので救急講習お願いします。」という事がちらほら出てきています。ネットで調べますと何処で購入したかが載っていて、付属小学校と中学校、武修館中学、高校とかJR東日本で1000台買いますとか買いましたとか。この前はJR東日本さんに行き救急講習をやって来ました。ただ、配置になったかどうかは判りません。

質問

バッテリーで定期的なメンテナンスはどうするのか。

木村氏

黙って置いておくと当然なくなり、いざ使いたい時に使えなくなっているという事も考えられます。これから普及されて行くと思いますが、一番望ましいのは消火器並みに置いて貰えればと思います。

質問

鳥取小学校で入れようと思うのですが、助成の様な物はないのか。

木村氏

今のところ釧路市ではなく、国からも余り聞いた事がありません。何とか設置して頂きたいと思います。それでは時間が来ましたので、この辺で終わらせて頂きます。



会長の時間
3 月 2 日(木) 「次世代交通機関DMVの概要と活用」 
JR北海道 釧路支社長    亀井 照夫 氏    
会長の時間 会長の時間
本日合計 本年度累計
24.000 円 1.182.000円
日時 会員数 出席率
 2月23日 99名 51.60%