釧路ロータリークラブ 国際ロータリー第2500地区 Rotary Club of Kushiro
通 算
3420回
2016-2017年度
第6回 例会報告
2016年08月18日
例 会 内 容
クレーマー対策について
お客様と来訪ロータリアンの紹介

元日本銀行釧路支店支店長・中央大学政策文化総合研究所客員研究員 島村 嘉様

北海道釧路方面釧路警察署長・警視正・齋藤 穣様

千葉南ロータリークラブ・小野 成子君

津南ロータリークラブ・刀根 大士君

会長の時間
会長挨拶 木下 正明会長
 本日は長期滞在の方が3名もいらっしゃっているということで、釧路の経済にも本当に明るい話題です。先ほど話していましたが、今年は天気が非常に悪くて本当に申し訳なく思っております。「夕日もまだ数回しか見られていない」と仰っている方もいました。きっと来年の天気は良いと思うので、ぜひ来年もお越しいただきたいと思います。小野さんも2度目をよろしくお願いしたいと思います。

オリンピックが開催されております。日本がどのくらいメダルを伸ばすのか、というくらい活躍しているのは嬉しいことです。皆さんもそう感じていらっしゃると思います。東京オリンピックに向けて、ある程度メダルを取れそうだという人を派遣しているというのもありますし、選手の育成が本当に上手くいっているなと思います。特に卓球女子の伊藤美誠ちゃんは本当に楽しそうに卓球をしています。すごく辛いなか、精神論で頑張ってくるのではなく、本当にスポーツを楽しんで自分を発揮して成果が現れるというのは素晴らしいことだと思います。いまだに監督が恐くて、怒ってばっかりというところもあるようですが、褒めて伸ばす、楽しく色んなことを皆でやっていくのが良いのかなと思います。

話は変わりますが、8月14日〜17日、昨日までの日程で台湾に15名で行って参りました。台北中央ロータリークラブと姉妹締結をするためです。16日の昼例会で姉妹締結をさせていただきました。ここに締結書がありますので、お時間ありましたら皆さんご覧下さい。私、失敗しまして、会長と書いてある横に「木下 正明」と書くところを一段下げてしまい、向こうと位置がずれてしまいました。よく落ち着いて確認してから、どこに書いたらいいと聞けば良かったなと後悔しています。僕らしいかなとお許しをいただければと思います。

多くのパスト会長のご縁により台北中央と関係が出来ました。期間としては6年半。会長は歴代で私の他に7名の方が関わっていただき、80周年事業としてやっと締結にこぎ着けることが出来ました。姉妹締結したことで、少し大変なこともあるかもしれませんが、国際ロータリーとして釧路クラブが歴史と伝統ある中で、こういった締結は、ぜひしたらいいのではないのかと私も考えまして、皆さんにご了解をいただいたましてこの結果を得た次第でございます。

14日夜に着きまして「夜市」という夜の市場に行き一杯飲みました。次の日は「故宮博物院」などに行き、夜には「ウェルカムパーティー」を開催していただきました。翌日に締結式を控えておりましたが、いろんな挨拶が終わったその後はいつものようにカラオケ大会になり、当クラブは歌の上手い石田会員や脇会員、邵会員が美声を響かせまして、私は台北中央の方に「上手に歌い過ぎて申し訳ありません。」謝らないといけない状態になりました。「釧路クラブには歌手が3人もいるのか!」と言われたりもしました。あまり上手く歌いすぎたので、ウィスキーをストレートで飲まされたりもしました。15人それぞれが懇親深めていただき、向こうの方々と大いに騒いで、意識がなくなりかけるまで飲み続けた夜でした。工藤会員は次の日、「記憶がない」ということで記憶を探す旅に出られており、私もそのお手伝いをさせていただきました。

翌日は真剣な締結式でした。いろんな写真を撮ってきましたので、後日ホームページにアップさせていただきます。

最近、国際的な事業を一生懸命やっている荒井会員がいらっしゃいますし、いろんなものがそれぞれ進んでいきますので、ぜひ皆さん、無理がない程度にご参加いただいて、少し大変ですが皆で楽しみたいなと思います。ご協力の程、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

帰りは台風で大変でした。LINEでいろんな情報を送り合い無事に帰ってくることができました。SNSも上手に利用すればすごく便利だと思います。

最後になりますが、今週末に全道中学親善硬式野球大会がありますので、ぜひ見に来ていただければと思います。ここから多くの甲子園出場選手も出ていますので、ぜひ応援の程よろしくお願いいたします。

以上で私の挨拶を終わらせていただきます。ありがとうございます。

本日のプログラム
クレーマー対策について

プログラム委員会 委員長 間崎 徹也 会員

 本日は、昨日の台風の影響等もあり、職務ご多忙の中、釧路警察署長の齋藤 穣様にお越しいただきました。本当にありがとうございます。

齋藤署長様の経歴についてご紹介させていただきます。齋藤様は昭和33年10月生まれで、昭和56年に北海道警察に入署以降、22カ所の部署・役職を経験されています。平成22年には北海道警察本部機動捜査隊長、平成24年には北海道警察本部刑事部捜査一課長も歴任され、現場最前線で指揮を執り、今年3月に現職として着任されました。私も何回かお話させていただく機会あったのですが、大変正義感ある、また強いリーダーシップをお持ちの方だと感じている次第でございます。

 本日は企業経営等でも重要度が高まっているクレーマー対策を中心にご講演をお願いしております。よろしくお願いいたします。

講師 北海道釧路方面釧路警察署長 警視正 齋藤 穣 様

  皆さん、こんにちは。ただ今ご紹介いただきました釧路警察署長の齋藤と申します。本日はこのような盛大な会にお招きいただき、そして講話の場をいただいたことを誇りに思いますし、お礼を申し上げたいと思います。

私の経歴については、ただいまご紹介あったとおりです。警察人生、今年で約35年になります。その内20年位は刑事という捜査の現場で働かせていただいて、いろんな人の人生の悲喜こもごもの姿を目の当たりにしてきました。解決出来た事件もありますし、残念ながら未決で残っている事件もあります。

 本日は、クレーマー対策についてお話いたします。これについては、私も暴力団関係の仕事をしていた時に、民暴の弁護士の方々とパネルディスカッションをやったことがあります。その時のお話を踏まえて、実際には警察署でも多くはないですが、色んな会社やお店の方からクレームに関する相談を受けているので、そういう相談を受けた時に警察としてどのようなアドバイスなり措置を取るのかということを中心にお話させていただきたいと思います。出来るだけ分かりやすく説明したいと思います。よろしくお願いいたします。

 はじめに最近の警察状態についてお話しいたします。刑法犯の認知件数、主に発生の件数です。これは年々ニュースでも報道されているとおり、減っています。平成14年以降右肩下がりで着実に減っていて、私も12年前に同じ釧路で勤務したことありますし、20年前には隣の弟子屈警察署という小さい警察署で勤務したことあります。体感的に明らかに減っているなと感じられます。ところが、その時代に比べたら警察が介入しなければならない事案が幅広くなってきています。特に多いのが男女間のもめ事。DVやストーカー絡みです。それから夫婦間のもめ事もそうです。さらに家族内に絡む事案、高齢者虐待・児童虐待など、釧路警察署においてもかなり神経質に取り組んでいます。これは警察自体の反省もあります。

20数年前、有名な桶川ストーカー事件の事案がありました。その他に長崎・千葉県にまたがるストーカー事案があった。警察に相談が寄せられたにもかかわらず、結果的に最悪の事態を招いてしまった。「もっと警察段階で手を打てなかったのか」というような反省や批判を浴びて、かなり突っ込んだ対応をするようになりました。例えば、夫婦喧嘩で逆上した奥さんが110番してきて「旦那に一発殴られた」と言います。昔なら「お互い話し合って、頭がすっきりしたら元に戻るでしょ」というふうになあなあで納めるところが、今は逮捕しようかどうしようかを真剣に検討する時代です。このような事案はすべて、夜中でも私のところに電話で指揮伺いが来ることになっています。DV、ストーカー、児童虐待もそうです。そのような時代になったということです。これがいいのか、悪いのか。警察のニーズが高まってきたというお話を最初にさせていただきました。

本題に入ります。例えば「お宅のお店から買った袋入りお菓子の中に虫が入っていた。どうしてくれるのだ」と言われます。このようなことはメーカーさんではあると思います。実際に入っているか入っていないかは別にして、普通の会社であればとりあえず「迷惑かけて申し訳ございません」と謝罪するでしょう。この謝罪したこと自体は特に問題ありません。私はメーカーに勤めたことがないので、どのような対応をするのかあまり知りませんが、おそらく「実物を回収し確認する」「製造過程で虫が混入したのかしないのかを検証する」「他の同じ商品に入っているのかどうかを確認する」だと思います。

その結果、二通りのことが考えられると思います。一つは混入の可能性が高い場合。メーカー側のミスであれば通報してくれた方に説明や謝罪をすると思います。それから広報の判断。マスコミに発表するかどうかを検討されると思います。もう一つは製造過程で混入したか否か確認できない、または認定できない場合。これについても通報があった以上は通報者に説明されると思います。「こういうことで、現地では確認が取れていません」と。

メーカー側にミスがあった場合は社会常識で考えられる範囲の謝罪をすれば法的には十分だと思います。メーカーですので、自分の会社の信頼や信用も考えて、それにプラスアルファ、例えば購入費用を弁償するとともに、同じものを渡し、それに菓子折くらいを持って行く。社会常識の範囲ではそれくらいで十分な謝罪とみなされると思います。ミスがあったかどうか分からない場合は説明で終えると思います。

問題は、その後さらにしつこく言ってくる輩がたまにいることです。それをクレーマーと言いますが、クレーマーの判断基準というのが資料1にあります。これは私が考えた訳ではありません。下に引用元がありますが、弁護士の深澤直之さん。かなり有名な方だと思います。この方の『悪魔の呪文「誠意を示せ」悪質クレーマー撃退50のポイント』という本から引用させていただきました。これは、私がお話した民暴の弁護士さんとのパネルディスカッションで推薦された本です。この24の類型に当てはまるかどうかを確認していただければいいかなと思います。

例えば、「謝罪に納得しない」。その後、「社長を出せ」や「謝罪が足りない」。「もっと誠意を示せ」など執拗に不当要求してくる場合があります。そういう人がいます。実際、皆さま方で経験されている方もいると思います。会社にバンバン電話が掛かってくる、受付の女性を悩ませるなど、そのようなことは結構あると思います。

ここまで来ると警察は「恐らくこれは金だな」と考えます。どんどん会社側のミスにつけ込んで、ある程度の金を引き出そうという、俗に言う暴力団的手口です。それを考えます。このような場合は警察に相談していただければいいと思います。

警察相談係というものがあります。これは前段でお話したとおり、DV・ストーカーの事案が増えるに伴って置かれたセクションです。いろんな相談が来ます。今朝も出勤したら机の上に20件近くの相談関係書類が乗っかっていました。これを全て署長・副署長が目を通すという朝の日課から始まります。その中で緊急性のあるものは、先ほど言ったとおり、夜や休みでも私のところに電話が来て、指示伺いが来るというシステムになっています。基本的に緊急性のないものについては、警察相談係、交番や他のセクションで受けた相談も全て警察相談に書かれる形になります。現場でどのような処理したのかを私たちがチェックすることになります。

ここに警察のアドバイス例が書いています。相手方の言動が犯罪に該当する場合があります。例えば、「街宣車を向けるぞ」。それから「おたくの会社、閉店した後に気をつけろよ」。そのような脅した言動。刑法を勉強されている方なら分かると思います。生命・身体・財産それから名誉に危害を加えるような言動は脅迫に当たります。被害届を出していただければ、脅迫罪で検挙することも可能です。脅迫罪にあたるけれども「脅迫の言動が弱いな」「被害者も被害届に応じないな」となれば前段階としての「警告」という手段もあり、警察から「警告」します。警告にも従わないで、また同じようなことやると、今度は検挙となると「警告されたのにおこなった」ということで、脅迫を起こした人間の罪は重くなります。現時点では犯罪にならない場合でも警察からジャブ程度の警告をしています。

それから、会社・店側に対しアドバイスをします。ここに書いていますが「毅然たる対応」をして下さい。「複数対応」してください。そして「相手の土俵では勝負しない」で下さい。この3点をアドバイスします。この内容については最後の資料・有事の対応という裏側にあります。「不当要求対応要領」と書いています。これは警察の暴力団担当セクションで出した一般の皆さま方に配布している資料です。今、言った3つの内容がここに書いています。

なぜ「毅然たる対応」をしないといけないのか。当然、会社側は自分たちの信用もあるので、特に大きいメーカーさんになると、その気持ちも分かります。が、相手方はそういう企業側の名誉を重んじる、信用を重んじる、そこで「なあなあで済ませたい」という心理につけ込んできます。特に暴力団はすごく上手いです。最終的に粘り勝って金をもらう。1回それなりの金をもらうと、さらに彼らは要求してきます。某有名人やスポーツ選手などが暴力団にお金を払ったと週刊誌に出ますよね。それはそういう手口でやられているのです。

「複数対応」は何かというと、警察からいう“証拠化”をしてもらうということです。録音・録画でもいいです。事前に録音・録画させてもらいます。場合によっては秘匿に録音・録画しても特に違法とはなりません。1対1であると「言った、言わない」になります。「あんたは、私を脅迫した」と警察に被害届が来ます。「街宣車飛ばしてやるぞ」と言われた。相手は「そんなこと言っていません」と言います。それを裏付ける証拠がないので、最低でももう1人いて、それを目撃している・聞いている人がいるとなると警察はやり易くなります。1対1でも何とかやれますが、被害者の方が嘘つきではないということを警察で証明すれば何とかなるケースが結構あります。が、完璧なのは複数対応で録画・録音するのがいいと思います。

それから「相手の土俵で勝負しない」。特に1人で相手の自宅や事務所に行くと、周りを恐い人方に囲まれて更にひどい目に遭います。会社に来てもらうか、別の公共の場所を設けて対応するのが一番いいと思います。録画・録音が取れない場合も、すぐ対応が終わったあとに相手の言動やこちらの対応をメモして書類を作って下さい。それはなるべく早いほうがいい。何日も経ってから思い出しながらやると、それはそれで証拠価値はありますが、人間の記憶はずれます。ですから記憶が温かいうちにそのような手段を取った方が裁判になった場合、証明力が高いことになります。

最後に書いていますが、相手方が暴力団関係者の場合です。警察に名前を言っていただければ「こいつは暴力団関係者」とすぐ分かります。場合によっては、用件が当てはまる場合は皆さんに「そいつは暴力団関係者です」と教えることも出来ます。危険度・緊急性も高まるので更に突っ込んだ対応をします。今、暴力団抗争などいろいろありますので、そういう中で暴力団を潰すために、ちょっとした、一般の人たちであれば検挙しないような事案、例えば「車庫飛ばし」等を見つけて逮捕したりしています。対応がやり易いかなと思います。不動産関係では、不動産契約情報の中にはほとんど「暴力団員は入居お断り」が入っています。それにも関わらず自分・暴力団員が入りたいので、知人とかの別人と契約させて自分がそこで生活しているとすれば「詐欺」ということで全国的に暴力団員を捕まえています。

最後になりますが、資料2と資料3、これは参考までに付けておきました。先ほど言った深澤弁護士さんの本に書いてあったのをそのまま引用させてもらっています。しつこいクレームについてはこのようなことで対処すれば良いですよというアドバイスが載っていますので、参考にしていただきたいなと思います。

お菓子の例に戻りますが、一般の方、普通の女性や子どもなどが被害に遭っているのであればメーカーがきちんと対応しないといけません。「納得しない」「謝罪が足りない」など、ごちゃごちゃ言ってくるのはクレーマーです。そのような者が「マスコミに言いふらすぞ」などと言っても、ここにマスコミの方もいらっしゃいますが、普通のマスコミであれば相手にしないと思います。一部の雑誌などは相手にするかもしれません。そのようなことですので毅然たる対応をしていただければと思います。

お役に立ったか分かりませんが、このような話を今日はさせていただきました。

ご静聴ありがとうございました。

会長謝辞 木下 正明 会長

 齋藤署長様、本日は貴重なご講和をいただきありがとうございます。いちどしっかりと専門家の方に聞いていないと、対応を間違え、ひどい目にあったり問題が大きくなってしまうことが考えられます。本日はすごく分かり易く、資料もお付けいただき、それぞれの会社でこういったことがあった時に上手に対応するきっかけとなったと思います。

災害後の忙しい時間にご講話いただきまして、ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。


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その他の報告
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小野 成子 釧路が涼しいとの事で長期滞在をさせてもらっています。
木下 正明 おかげ様で台北中央RCとの姉妹提携することが出来ました。
樋口 貴広 台北中央RCとの姉妹クラブ締結無事に完了致しました。
工藤 彦夫 今回は樋口幹事のおかげで楽な台北旅行となりました。
浅野 清貴 なゆたの会でMAXハンデのおかげで優勝させて頂きました。
今年度累計 225,000円