釧路ロータリークラブ 国際ロータリー第2500地区 Rotary Club of Kushiro
通 算
3441回
2016-2017年度
第27回 例会報告
2017年2月9日
例 会 内 容
釧路市長講話『魅力あるまち釧路市の今後の展望』

お客さまのご紹介

 釧路市長 蝦名 大也 様。

 

新入会員紹介 前田 秀幸 会員

 それでは、本日より、私たちの新たなる仲間になっていただいた方をご紹介したいと思います。お名前は、吉田英一さん。釧路市内で『株式会社エーワンビルディング』の代表取締役でございます。あちらこちらにエーワンビルを皆さんお目にしていると思いますし、帯広駅前にもJRから見るとどでかいエーワンビルがあります。その有名なエーワンビルの吉田英一さんでございます。

 西村直前会長の時代から強力なプッシュがあり、9割9分入るところまで来ていましたが、なかなかその後がなく、そこで私と吉田さんの同級生でもある杉村荘平君が最後の背中を押して本日の入会に至ったという訳でございます。西村直前会長ありがとうございました。

 趣味は、読書ということです。僕が知っている限りでも、相当な勉強家でございます。ゴルフ・麻雀は一切やりません。お誕生日は、昭和40年10月6日で、現在51歳でございます。大体、ロータリーの平均年齢に近いかなと思っております。

僕の知る限りでは、非常に出張の多い方なので出席率はあまり見込めないのかなと思いますが、出来る限り参加をしてくれるとおっしゃっておりましたので、温かくお迎えしていただければと思います。

 それでは、ご本人からよろしくお願いいたします。

  

新入会員挨拶 株式会社エーワンビルディング

代表取締役CEO 吉田 英一 会員

 皆さん、こんにちは。この歴史と伝統のある釧路ロータリークラブに入会出来たことを心より嬉しく思っております。私は、エーワンビルという名前で不動産賃貸業を行っております株式会社エーワンビルディング代表取締役の吉田英一と申します。この会の趣旨と意味や価値をしっかりと理解したうえで、出来る限り出席をして行きたいと考えていますので、皆さんどうかよろしくお願いいたします。


新入会員歓迎挨拶 木下 正明 会長

 吉田会員、ご入会おめでとうございます。また、ありがとうございます。

とうとう正会員が100名になりました。名誉会員が1名いらっしゃいますので、いつも私は「100名、100名」と言っていましたけれども、正確には99名でございました。本日をもって、正会員が100名となりましたので本当に嬉しいことだと思います。吉田会員は有名人でございますので知っている方はたくさんいらっしゃると思いますが、なるべく出席いただきまして、懇親を深めていただきたいと思っているところでございます。

 釧路ロータリークラブには他の会ともまた違った、自分のレベルアップに繋がるものがたくさん詰まっております。長い間どうぞよろしくお願いいたします。

 所属委員会は「クラブ会報・雑誌委員会」とさせていただきます。委員長が中島さんです。中島委員長の下でよろしくご活躍のほどをお願いいたします。

会長の時間
会長挨拶 木下 正明会長

 先週の土曜に第7分区会長・幹事会がありました。白糠の『やまかん』で行われまして、私と樋口幹事が行って参りました。

私からは「吉田潤司会員が2017-2018年度ガバナーノミニーになることが決まりましたので、どうぞ皆さんよろしくお願いいたします」ということをお話しさせていただき、このことが決まるに当たって、各クラブが内々でいろいろな後押しをしていただき、ご承認をいただいたと思っておりますので、そちらの方の感謝をさせていただきました。

また、その場で2017-2018年度のガバナー補佐が釧路ベイロータリークラブの漆崎隆会員に決まったという話がありましたので、釧路ベイロータリークラブさんとは、吉田潤司ガバナーが出るまで、連携・調整をさせていただきたいというお話しをさせていただきました。

 最後になりますが、3月25日土曜日に『インターシティーミーティング・IM』が開催されます。ANAクラウンプラザホテル釧路でございます。皆さん、この日はIMにぜひ参加をしていただき、盛り上げていただければありがたいです。どうぞご協力のほどをよろしくお願いいたします。

本日のプログラム
釧路市長講話『魅力あるまち釧路市の今後の展望』

プログラム委員会 副委員長 小野寺 俊 会員

 本日は公務ご多用中のなか、釧路市長蝦名大也様にお越しいただきまして毎年恒例になっております釧路市政並びに今後の展望等につきましてのご講演を賜りたく存じます。

 それでは、早速ではございますけれども、蝦名市長、ご講演よろしくお願いいたします。

釧路市長 蝦名 大也 様

 改めまして、皆さまこんにちは。本日は、歴史と伝統ある釧路ロータリークラブ、しかも正会員が100人を超えたというこの瞬間のときの例会で、このようにお話しをさせていただく機会を得ました。毎年でございますけれども改めて感謝を申し上げる次第でございます。

また、木下会長を中心に、一人ひとりの皆さまがロータリアンとして、地域や人、情熱を持ちながら経済活動も含めご尽力いただいているところでございまして、改めて感謝とお礼を申し上げる次第でございます。

 本日は『魅力あるまち釧路市の今後の展望』ということでお話しをということで、若干資料も用意させていただきました。特にこれは、観光に特化している部分でございますけれど、このことについてお話しをさせていただければと思っております。

釧路ロータリークラブと申しますと、台北中央ロータリークラブとのパートナークラブという形で、釧路と台湾の架け橋を担っていただいているところでございます。清水先生が会長となって釧路日台親善協会を進めていただいて、これは釧路の丹頂鶴を台北市立動物園へ贈る、まさにそのキッカケをこの協会でつくっていただき積極的な活動展開をいただいているところでございます。

 阿寒湖のマリモでございますけれど、今年がこのマリモの発見と命名120周年という年に当たるのでございます。現在の北海道大学、当時は札幌農学校で、川上瀧彌さんという方がマリモを発見し命名したということで、それから120年であります。

その後、川上さんが台湾へ行かれて、そして、台湾の国立博物館の初代館長になったということでございます。このような意味でも、このマリモの縁のなかの台湾との結びつきは非常に深いものがあります。そこでいま、台湾の『国立台湾博物館』から「マリモの常設展示を行っていきたい」ということもあり、このようなことを念頭に置いてこの120年になるいろいろなイベントを進めて行こうと、いま台湾の方とも相談をしているところでございます。ここはまさに釧路日台親善協会、これはまさに釧路ロータリークラブという形にも繋がって来ますけれども、皆さまのお力をいただきながら盛り上げて行ければと考えています。

 阿寒湖のマリモの世界自然遺産、ここへ向けて行くなかで、一番ネックになったことは、学術論文がほとんどないというところが辛さでした。ご案内のとおりに、若菜さんが釧路にいて、マリモの研究を進めていきながら、「マリモのDNAが世界に広がっている」などとこのようなものは出しておりますけれども、残念ながら英語での論文が非常に少ないということです。やはり英語の論文がどれだけあるかということがポイントになるということでして、そこで若菜さんに英語で論文を書いてもらうなど、このような基礎を作っている最中であります。そのような意味で、台湾の第二外国語は日本語が一番な訳でありますけれど、いろいろなところの繋がりがあるなかで、マリモの研究ということで英語の論文などが出てくると、また学術的にもしっかりとベースが出来上がって世界遺産などに向けてのひとつのハードルを超えることが出来ると思っている訳でございます。今年の『マリモ発見・命名120年』をしっかりと進めて行ければと考えているところでございます。

世界レベルということになると、昔、日本は大変経済的にも強かった訳でありますけれど、ある程度、英語でそのようなものがないとまずいということですね。確か昔、1970年代にトントンと日本が経済発展をしていったときは「GDPが世界の中の17%」とそのとき教わったと思ったのでありますけれど、いまその17%は中国になっているのでありまして、日本は10%位ダウンだから6%から7%位になっているということであります。そのような意味で、日本も英語というものをしっかり進めなければいけないと、自分は英語が全然出来ないので非常に辛いところがありますけれども、役所の中でもそのような話をしております。その英語が、実は阿寒湖温泉地区にも大きく絡んで来るかと思っているところであります。 

本日ご用意したものは、昨年選定を受けました『観光立国ショーケース』というものの実施計画を簡単にまとめたものを配らせていただきました。観光というものが日本の国の成長戦略の柱に置かれているものでして、私も地方自治体が地方分権という形でいろいろなことを行っていくことは重要なことだと思っています。ただ、もうひとつその中で、ベクトルを合わせるということも必要なことだと思っています。ということは、大きい流れです。世界の流れや日本の流れ、または北海道の流れでも良いのです。そのようなものを活用していろいろなことをプラスの方面へ導いて行く、このようなことに大きなことがあるのだろう。世の中の流れが右へ行っているときに「私は左だ」では存在意義はあるかもしれませんけれども、これは、余計な体力を使うだけであります。右の中でどのような方向へ進めて行くのかが重要だと思っております。

日本が、観光というものを成長戦略の柱に据えて、その中で『観光立国ショーケース』や『国立公園満喫プロジェクト』ということで、地方都市や国立公園に多くの人に来てもらおうというトレンドにマッチさせて行きながら、その中でいろいろなことを加速度的に進めていくことも重要な論点だと考えております。

『観光立国ショーケース』と『国立公園満喫プロジェクト』。これは昨年、選定を受けたので、ここをしっかり成し遂げながら、日本の国のモデルとなるようなことにしっかり取り組んで行こうというものでございます。

『観光立国ショーケース』の基本となることは、インバウンドという訪日外国人、向こうのお客さんということが中心となってきます。この中でベースとなることが、“ストレスフリー環境を作る”です。ストレスを感じないようなところを作って行きましょうということです。皆さま方も海外へ行かれたとき、どのようなときにストレスを感じるかということに置き換えてみていただければありがたいと思う訳でございます。

例えば、いろいろな標識、サインです。いろいろなサインというものが、昔の日本はずっと経済力が強かったとき日本語だけで表示しておりますと、外国の方々が「そこが見れない、読めない」ということになってきますと、サインというものが英語なり多国語化になると、みんなが読めるようになるということがあります。

あとは、Wi−Fiという通信環境。ここをしっかり整えるということが重要になっているということです。私、面白い写真を見たのが、いまのローマ法王が2013年に就任したときと、その前の法王が就任したのが2005年。この2つの写真を見たときに、びっくりいたしました。2005年のときは、就任式でここにヤマのように人が大勢いる状況で、この就任式が行われました。それが8年後は、同じ場所から撮っています。同じようにヤマのように人がいるのですけれど、ひとつの仕草が違っていたのです。そこにいる人たちがみんなこのようにスマートフォンやタブレットなどで写真を撮っています。この2枚の写真を見たときに、2005年のときは誰1人写真を撮っている人がいませんでした。たった8年間で、スマートフォンやタブレットなどがこれだけ世界中で浸透しているということでございます。

例えば、観光客の方々がその街へ行って、日本の場合いろいろな観光雑誌がありますけれども、多くの人はスマートフォンなどを使って情報を得ています。逆に言うと使えない所は本当に不安になってしまう。我々日本の立場でいうと、その場所へ行ったら「携帯電話が繋がらない場所だ」くらいのイメージになると思っています。

このWi−Fi環境をしっかり整える。このサインとWi−Fiが両巨頭と言ったら良いのでしょう、2つの大きな課題となって、この他に「など」と明記されていますけれど、ここをしっかり整えていこうということでございます。

そこで釧路市は、そのWi−Fiとサイン以外にもストレスフリーを感じるものがあるということで、市役所の中で相談をして来ました。私共はストレスフリー環境を作るための整備としてひとつは『トイレ』を挙げました。和式トイレ、日本人でも和式トイレの使い方が分からない子供などがいるという状況にあります。しかしながら公共のものでは、和式のものがとても多いということで、そのようなところをしっかり洋式に替えて行こうということでした。先ほどのサインには、言語も言葉も入って来ますけれど、このようなことをしっかり行っていこう。

『観光立国ショーケース』とは、他の地方都市の模範になるところであり、更にもうひとつ『国立公園満喫プロジェクト』。当時、全国32か所の国立公園、1か所増えて今は33か所になりました。その中から8か所が選ばれ、北海道でたった1つの国立公園が『阿寒国立公園』になる訳であります。ここもその選定を受けて整備を進めていくけど、もうひとつ高いクオリティーというのか、もうひとつ何かポイントになるストレスを感じないものをということで、弱い立場の人・障害のある方々でもスムーズに行けるような、そのような地域を作れないだろうかということを考えております。

ちなみに、その面として『観光立国ショーケース』では、このように考えています。釧路市内全部のストレスフリー環境整備を行うことはとんでもないことになってしまいますので、2020年までにモデルを作るのでありますから、釧路市内にエリアを設定して重点的に整備を行っていこうということです。ひとつは、阿寒湖温泉湖畔エリアであります。もうひとつは釧路市内の駅から900mのこの北大通、合わせて釧路川リバーサイド、ここを面として考えて、サインやWi−Fi、トイレ、そしてこのバリアフリーをしっかり進めて行きたいと思っております。

特に、バリアフリーなどは非常に面白いものがありました。例として、完成してから結構経ちますけれど羽田空港国際線ターミナルにはユニバーサルデザインとされるJIS規格の適応除外の物がたくさんあるのです。どうして羽田空港のそのような物が除外なのかということになりますと、設計の段階から人がどのように歩いて行ったら、つまり「車いすの方・目が見えない方・いろいろな障害がある方々がこのような動線で行くのであれば使いやすいですね」と意見を出しながら作られたものが羽田空港の国際線だということです。このような物語があそこにございます。

その逆の例として、ユニバーサルデザインで作られた、ある極めて有名な所のトイレ、障害者の方が入れるトイレ、車いすでも入れる。しかし、そのトイレのゴミ箱が、足踏みペダルで設置されているということで「絶対使えない」という物もありました。

それなら同じように、うちも街の中の整備の仕方とか、公園の整備の仕方にそのような物語・ストーリーをそこに作っていこう。つまり、いろいろな外国の障害がある方々もこちらへ来ていただきながら、実際に匂いや空気、その雰囲気を感じるなかで、その方々がどのようなところだったらストレスを感じずに公園に居られるか、街の中に居られるか。このような取り組みなどを行いながら『国立公園満喫プロジェクト』と『観光立国ショーケース』のひとつの質というものを何とか底を上げていけないかと考えながら進めているところであります。そのときには、釧路の障害のある方々にも入っていただきながら、一緒にストーリー、物語、このようなものを『観光立国ショーケース』という中で作って行き、先ほど言ったようなストレスフリー環境をひとつひとつ整備して行ければと考えているところでありました。このように1個1個進めて行きたいとこのように考えています。

また、皆様にお願いしたいことは、私はストレスフリーの中にもう1個、決済。つまり、お金を決済する仕組み。外国の方は「非常にストレスを感じる」と。日本の方でも感じているのではないかと思いますけれどクレジットカード、つまりキャッシュレスですね。この環境をしっかりと進めて行かなくてはいけないと考えておりまして、ここはぜひいろいろな場面でいろいろな所でお話しをしていただければありがたいと思う訳であります。気が付かなければ誰も動いてくれないということが状況となっています。

私も市長に就任したときから関係してくるMOOや和商などで一生懸命話をしています。「やってくれ。クレジットカードが使えないことはビジネスチャンスをなくしている。」という話を一生懸命にしていますが、和商とMOOも、私が就任したときに使える店が20%位でした。いまは半分位になりましたね。やはりここは100%へ持って行かなければダメだろうと思います。海外へ行って、ちょっと外へ出るというときに皆さんどうしますか。現金をドッサリ持っていく人は少ないと思います。ほどほど持ちながらも、1万円〜2万円か。そしてクレジットカードを持ち、その国によってはVISAやMastercardなど何でも良いけれど、そこへ行ったときに大体がカードで決済するということで。そこが現金しか使えなかったら「これ欲しい」と思っても所持金を持ってなければ買えないということです。そういう状況にここを変えて行かなければいけないと思っていました。

ここは、いろいろな場面で僕も話をしているところでありまして、そのような個別施設では上がってきているけれども街の中全体を変えて行くにはやはり皆さん方にいろいろな場面で話をしてもらうしかないと思っていました。この点のご協力をお願い出来ればありがたいと思っております。

私が市長に就任して「木を使おう」という話をしました。何をやっていても「この建物や、こういうものは木で出来ないか」「地元のカラマツ材で出来ないか」という話をしています。いろいろな食べ物を食べるときでも「これはどこの食材ですか」ということを一生懸命に聞いていくような形をとりました。例えば、「それは道産の物です」「どこどこの物です」このようなことは日頃のその形のなかで言っていくしかないだろうと思っていまして、くれぐれもカードが使えない所があったら「なぜカードが使えないの?」という話をしてくれたらありがたいと思っています。

先日、データを見ましたら、「現金至上主義みたいな国は、日本とイタリアとドイツだ」ということで、徹底的に使う側の論理、自分の立場が変わってみればすぐに分かることでありますけれど、「値引きしたあげくにカードを使われたら、たまらないのだ」という話も出て来ましたけれど、僕はそうではないだろうと思っています。

このストレスフリー環境は、先ほど言ったWi−Fi、サイン、そしてバリアフリーやトイレ、ここは、我々はしっかり進めて行きますけれど、ぜひとも民間の取り組み、ここを進めて行くにはいろいろな場面でお声をかけていただければありがたいと思っているところであります。

あとは、『国立公園満喫プロジェクト』も同様な形で進めていくものでございます。

阿寒湖温泉地区の『アイヌ伝統文化の国際的なブランド化』ということで、いま白老で国立博物館ということで進んでおりますけれど、釧路でも阿寒が中心となってここのアイヌ文化は徹底的に発信して行きたいと思っています。特にいま『アイヌ工房』ということで、こちらの方から発信出来ればと思っています。  

この阿寒湖温泉地区の中には、北海道を代表する2人の巨頭がいらっしゃいまして、藤戸さんと瀧口さんです。北海道が進めている「イランカラプテキャンペーン」の新千歳空港も札幌駅にしても、ここはこのお二人が中心となってこの木彫りを制作いただいております。ここをしっかり活かして、次なる世代へ、こういう方々の分をここでしっかりといろいろなものを作りながら発信していくことを進めていく形をとって行こうということ。このアイヌ文化をどんどんどんどん発信しながら進めて行こうというものです。

先住民族というものに対する取り組みは、世界の中では、評価をいただけるものでございます。日本は、2008年に国会決議で「日本の先住民族はアイヌの方である」ということを決めてそれから進みました。先進国の中で、一番最後に先住民族の存在を認めたのが日本ということになっております。オリンピックを見ていたときも分かるとおり、世界では先住民族に感謝の気持ちを全部出しております。そこでこの釧路が、その先住民族の文化、勿論国立の白老でやっていくものもありますが、それが一緒になって連携をしながら出していくことは、世界的にも質を上げることに繋がって行きますので、ここもしっかりと進めて行ければと考えております。このように観光という軸から、様々な分野のなかで進めて行ければと考えております。

 あと、後ろにIRのことも入っております。商工会議所でも、会頭が中心となって研究会も作りながら進めている『IR・統合型リゾート』でございます。国の方でも、推進法、つまり実施法の前の法案が通った状況で、様々な議論が出て来ているところでございます。釧路の中でもいろいろと「あの美しい自然の中にカジノは似合わない」とか、このような形がありますけれども。どうしても、カジノと言いますと行ったことはないのですが、ラスベガスやマカオなどきらびやかな所をイメージされる方が非常に多いということでございました。私共がいまPRをしっかり進めていこうと考えて、阿寒の中で進めていきたいものは、ヨーロッパ型IRということでローカルIRというか、地方のというものを考えているところでございます。私が見に行ったのは、阿寒の観光協会の方と一緒にドイツの温泉という意味ですけれどもバーデン・バーデンという保養地のような素晴らしい所へ行きました。そこへ行きましたら、そのIR・カジノの施設は外から見ても全く古い建物としか見えなかったのでありますけれど、中がカジノになっておりました。当然そこには、入場制限・ドレスコード等々もございました。ちょうどアイヌの方々と一緒に行きましたけれども、アイヌの方々が服を着ていて「これは俺たちの正装だ」という話をしたら「OK」ということで中に入れましたけれども、そのくらいしっかりとしたドレスコードがあって、行くということでございました。決して自然を壊すようなきらびやかな形にするものではないというこのようなIRをイメージしています。どうしても、きらびやかな方のイメージが強い状況でありまして、そこが言われているところでありますけれど、ここを進めていければと思っております。ですから、北海道にとっていま苫小牧と留寿都も提案をしていますけれど、私共が出しているこの阿寒のIRの構造というか目標というのは、北海道の自然を生かしながらということは、長い目で見て一番正しいプランではないのかと思っています。勿論、いろいろなものを行うと都会が中心になります。だって「IRを導入しました」と言って、それで「収益がいくら上がりました」という数字が短期的に出て来たら良いに決まっている訳であります。それで「これだけの雇用が生まれた」とか「このような税収が」ということが当たり前に、そちらが良いから多分そのような所が中心になって来ると思います。けれども、持続的にしっかりと進めていく部分というものは、そのような豊かな自然の中に文化があるなかにそのような機能があって、ですから収益的にはスポットでドンと増えるものでないのです。しかしながら、私たちが考えているしっかりと持続可能な形で出来る阿寒のIRというものが本当は一番普通の形のものではないかと私はそう思いながら、いろいろな場面の中で説明もさせていただいているところでございます。

カジノ問題を考える集会が開かれていた中で、2年前でありましたけれど「市役所からも誰か説明を」ということで私がそこへ出ました。びっくりしたことに「全国でやっていたけれど、現職の市長がそこに参加をしたのは釧路市以外になかった」ということでありました。私はどこへ呼ばれても考え方を明確に話して行こうと考えておりますので、この点もまた皆様にはご理解をいただければありがたいと思っているところであります。

 あと、今年は若い人たち。人口減少社会ですから、そしてまた少子化という状況の中で、若い人たちにいろいろな意見を聞きながらものを進めていこうということも取り組んでおります。『釧路わかもの△カイギ』といって、“さんかく”は△にしていますけれど、“参画”するということで“△”と語呂合わせで『釧路わかもの△カイギ』ということで、20〜30代の若い人たちからも意見を聞きながら、会議の中で話をしながらいろいろなことを進めていければと思っています。

どの世代でもそうですが若い世代の人たちがいろいろな場面の中でお話ししたことが実際に動いて見えたときに、いろいろなことに参加しようと思うと思います。言ってみたけれど全くそれが動かない、コールバックもない。それなら誰も何も言わなくなってきます。そういう状況になると、街は停滞してくるだろうと思っております。ですから、私共行政体の側はいろいろな方々の意見を聞きながら、併せてそこに対して出来る、出来ない、のことをコールバックしながら、もしくは一緒に行っていく。この中で、10のうち1つでも出来れば、「それだけでも出来たね」という実績があれば、そこへ参加した人たちが「また次の機会の何かに参加していこう」となると思っております。それをいまこの若い人たちの中から『わかもの△カイギ』という形の中で取り組んで行こうと考えているところでございます。いろいろなことにチャレンジをしながら進めていければと考えております。

 予算の方は、2月15日に最終的なものを発表させていただくために、予算の細かい中身はまだお話し出来ない状況でございますけれど、このような考え方の中で、しっかりと平成29年も市政を推進して行ければと考えております。

昨年10月の選挙のときには、また大変お世話になりありがとうございました。私は、「10戦7敗で良い」ということを言って、あえて「負けて良い」という言い方をしました。10戦7敗で良い。10戦3勝ですけれども、とにかくいろいろことにチャレンジして行こうとこのような話しを言って来ました。いま役所で言っていることは「10戦7敗で良いと選挙では言ったけれども、負けて良いと思わないでくれ。これから負けないことも大事だからな」という話をしまして、「『負けない』、勝ち負けではなく負けない市政運営を、どのような状況であっても負けない形を考えるということも重要だ」ということで様々なことにチャレンジをして行きながら、行政体は一度前へ踏み出したら途中で「ダメだ」と思ってもバックは出来ないのでありますけれど、負けないためにはバックをしても良い訳ですから。もしくは、どのように進めて行くか、いろいろな環境を整える。このように負けないということもベースに置きながら、今年もまたしっかり進めて行ければと考えていいますので、よろしくお願い申し上げるところでございます。

30分ということでございました。以上、この観光立国ショーケースを含めながら『魅力あるまち釧路』という、釧路の質を高めていく、価値を高めていく、このようなことを行うことによって、市民の方々が街に対する愛着も誇りも含め、そのようなものに結びついて来るものと思いながら1つ1つの事業を進めて参りたいと思います。ご静聴ありがとうございました。

会長謝辞  木下 正明 会長

 蝦名市長ありがとうございました。本当にお忙しい中、お時間をつくっていただきまして、今後の市の発展についてのお話しをいただいたかと思います。『観光立国ショーケース』や『国立公園満喫プロジェクト』。観光というのは来ていただいてお金をすぐ落としていただけるということで、ダイレクトに売り上げがあるものでございます。一番効果的で重視して良いことかなと思っております。

 蝦名市長におかれましては、3期目を迎えられまして、あとは攻めるのみでしょうか。財政再建も進んでいるようですので、たくさんお金を投資していただいて、どんどん街が良くなるように積極的に行っていただければありがたいと思います。とはいえ、我々も応援をして、いろいろなところで声を出して、協力をして行かないことには市は良くなって行かないと思っております。今後とも協力体制をとって何ごとにもチャレンジ、提案・提案・提案で、7つダメでも3つ残れば良い、負けないで頑張れば良いということで応援・協力をさせていただきたいと思います。

本日は、大変貴重なご講演をありがとうございました。

 

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吉田 潤司 2019−2020年ガバナー指名、皆様のおかげです。3月の網走のセミナーが初参加です。
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